9th TOUR OF JAPAN 移動日(奈良→飯田)だらだらレポ

移動手段は?

 大阪、奈良と来て、翌17日は移動日なのである。選手、スタッフ同様に私も移動日。うちの事情を申し上げるなら、この日の夜中に旦那が飯田入りして、翌南信州ステージから観戦することになる。なので、奈良ステージ終了後にいったん帰宅するか、それとも奈良でもう1泊して翌日飯田入りするか一瞬迷わないではなかった。でもまぁわざわざ移動距離を伸ばして大変な思いをすることもあるまいと、後者を選択した。
 で、問題は移動方法だ。この日の宿泊先は、飯田線天竜峡駅すぐ近くの「みやこグランドホテル」。ノートPCにプレインストールされていた「駅探エクスプレス」くんの言うことによれば、最短が京都→奈良間を新幹線、豊橋→天竜峡間を特急電車を利用する経路(5時間6分/10,860円)、最長が名古屋→豊橋間のみ快速電車、あとは普通電車を利用する経路(8時間25分/5460円)らしい。まぁ急ぐ旅じゃないし、安いに越したことはないので、のんびりだらだら行くことにした。

さて出発

 朝は7時に起床。前日買ったパンを食べ、荷物をまとめて8時頃には宿をチェックアウトした。キャスターバッグを引きずってちょっと距離のあるJR奈良駅まで歩かなきゃいけないので、早め早めの移動が吉かと。

猿沢池の亀たち
 宿の近くの猿沢池のところを通りかかったら、池の中に恐ろしくたくさん亀がいた。丸太の上で日向ぼっこしてるのもいれば、うにょーっと伸びをしてそのまま池に落ちるのもいる。はたまた池から這い上がろうとして、再度ぽちょんと池に落ちるのもいて…。をっと、いかん。真剣に眺めてしまった。道のりは長いので先を急ごう。

 なんつって、駅に着いてみたら、乗ろうと思ってた電車まで20分ぐらいあったのだった。ぼーっと待っててもしょうがないのでちょうど来た電車に乗り込んだんだけど、途中で乗り換えなきゃいけなくて、結局加茂駅から同じ電車に乗ることになった。

 加茂駅からは関西本線に乗り換え、三重の亀山駅へ。なんだかとてもローカルな電車で、「ワンマン」と書いてあって、バスのように整理券と料金を入れる箱、整理券の番号別の料金案内なんてなのがあった。駅によって開くドア、開かないドアがあって、勝手がわからなくて、ちと戸惑う。でも、ま、どうせ終点まで乗るし、関係ないや、と思った瞬間に寝てしまった。時折目覚めては外を眺めてみたけれど、自然いっぱい、のんびりしてていいところだった。加茂から亀山までは1時間半の道のり。

 亀山到着。ホームの反対側に名古屋行きの普通電車がいた。荷物をずるずるやりながら乗り込む。平日日中ゆえか、乗客が多くなくて助かる。キャスターバッグ引きずってリュック背負って立っていたくないもんなー。亀山→名古屋間は1時間14分。名古屋に着く頃にはお昼時になっていた。

 名古屋駅で40分ほど時間があった。トイレに行って、ホームの立ち食いできしめんを食べる。天ぷらが乗ったので300〜400円ぐらいだったかな。つい「ビール」と言いたくなったけど、先が長いので我慢我慢。
 宿泊先は素泊まりで予約。地図を見る限り、宿の周りには何もなさげなので、名古屋か豊橋で夕ご飯を調達するつもりだった。名古屋ぐらい大きな駅ならなんかあるだろうと思ったら、探し方が悪いのか、お店が見つからないのよ。あっちのホーム、こっちのホーム、そっちの通路、こっちの通路と駆けずり回ったものの、見つかったのはコンビニっぽいキオスクのみ。豊橋に賭けるしかないのかなぁと思いつつ、もしも何も手に入らなかったら切ないので、いざというときの保険用にお稲荷さんのパックをゲット。夜中にかっとんで来る旦那に途中で買い物してもらうのも気が引けるしね。

 ということで名古屋駅から豊橋行きの快速電車に乗り込む。これがそれなりに混んでいて。座席は2列シート。座ろうと思えば座れなくはなかったけど、荷物が邪魔になりそう。ま、50分ほどの道のりだ。その後、3時間半の移動が待っているので、立っててもいいかな。
 ということで、ドア脇に立ってぼーっと外を眺めてた。今まで乗ってきた電車を考えると、妙に近代的できれいな車両。外の景色も都会っぽい感じだ。

 豊橋の駅には3〜4分遅れて到着。もともと乗り換えの時間が12分しかなかったのがもっと短くなってしまった。名古屋と同じ勢いで駆けずり回るも、売店には土産物の竹輪しかないわ、駅弁のワゴンには風呂敷がかかってて人もいないわ、コンビニっぽい店は名古屋と一緒だわで、半ば諦めてホームに降りた。そしたら、ホームに売店があって、ここでかろうじて幕の内弁当ゲット。鮭の切り身にコロッケに煮物に、みたいな、ここじゃなくても買えるだろうっていうようなお弁当だったけど、まぁこの際文句も言えまい。ついでにビールを2本買って飯田線の電車に乗り込んだ。

飯田線車内の謎のスイッチと天竜川の風景
 電車の中は学校帰りの学生でいっぱいだった。車両の端っこの、トイレ脇の席が空いてたので、そこに腰を据えた。この席、なんと表現したらいいのかな。ドアの脇に、進行方向に対して平行な席があって、さらにその奥、車両の一番端っこに、進行方向に対して垂直な2人掛けの席がある。妙に落ち着くっちゃ落ち着くんだけど、ドア脇の席に人が座ったら、横顔眺めて3時間半、みたいな席。ま、3時間半乗ってる人もいなかったから、ずっと眺めてなくても済んだんだけどね。
 飯田線の駅は、無人駅が多い。奈良で切符を買った時、5000円以上となると窓口でしか買えないだろうし、途中で気が変わって違う経路で行くかもしれないってことで、適当な金額の切符しか買わなかった。降りる時に精算すればいいやと思ってたんだけど、どうもそうはいかないらしい。駅に人がいないから、車掌さんが降りた人から切符を受け取っている。降車駅の天竜峡駅に人がいるのかどうかは不明ながら、もしもいなかったら電車降りてすったもんだすることになると思い、車掌さんをとっつかまえて降車駅までの乗車券を買うことにした。でもそう簡単にはいかないんだな。なにしろ車掌さんが忙しい。車内放送をして、車内を歩き回って精算して、電車が止まるたびに電車を降りて切符を集めて回って。呼び止めても忙しくてなかなか立ち止まってもらえなかった。いざ話を聞いてもらっても、なにせずいぶん遠いところからてれてれやってきたので、説明してるうちに次の駅に着いてしまい、相手が理解してくれた頃にはその次の駅に着く。発券してもらおうと思ったけど、車内放送しなきゃいけなくて、とやってるうちにずいぶん時間が経ってしまった。でも結局ライン下りの拠点、天竜峡の駅は有人駅で、わざわざ車内で精算しなくても大丈夫だったんだけどね。
 面白かったのは車内にあった見慣れぬスイッチ。赤と白のボタンが上下に並んでて、途中から乗ってきた小学生がパチパチやっていた。なんでしょ、これ、と思っていたら、小学生がいなくなった後で近くに座ってた女子高生が立ち上がり、スイッチを押して戻ってきた。そーいや今まで風が吹き抜けて寒かったのが、風が止まって暖かくなったよ。へええ 扇風機のスイッチだったのか。電車を降りる時には自分で開け、閉まる時は自動のドアといい、なんだかとっても不思議くんだった。
 飯田線は、道のりのほとんどを天竜川沿いに走る。なんとも風光明媚なところでね。ビールを飲みながら美しい水面を眺め、なんでまた私はこんなところにいるんだろうと思ってみたりみなかったり。3時間半なんて、永遠みたいに長いかと思ったけど、ぼーっと外を眺めたり、本を読んだり、音楽聴いたり、メール打ったり、うとうとしてたらあっという間だった。
 ともあれ、朝8時に奈良の宿を出て、天竜峡の駅に着いたのは17時15分。いい感じの長旅だった。閉所恐怖症の私は飛行機で8時間動けなかったりすると、半分死に掛かって到着することが多いんだけど、乗り換えアリの電車だったらノープロブレムだ。とても楽しい移動でした。

宿に到着

御一行様と並んだ布団
 今夜の宿は天竜峡の駅から程近いとこ。ライン下りの船の乗り場のすぐ隣にあるホテルというか旅館というかで(一応名前は「ホテル」だ)、入り口脇のボードに宿泊客の名前が書いてあった。ううむ。「御一行様」と言われるほどのものでもないんだが…。
 部屋は和室。部屋に入ってみたら、すでに布団が2つ並んで敷いてあった…。い、今この瞬間寝たくなっちゃうじゃないか。
 とりあえず荷物を広げ、AirH"でネットに接続を試みる。窓際のテーブルのとこではつながらず。部屋中歩き回って試したら、部屋の真ん中よりちょっと窓寄りのあたりで、立ったまま両手でパソコンを顔の高さに掲げるとつながったりつながらなかったりすることがわかった。とりあえずメールを落とすところまではできたけど、こりゃちょっと現実的じゃないなってことで、ネット接続は諦めた。
 んじゃしょうがない。風呂でも入りに行こうかな。レース観戦する際の宿として、できれば欲しいのが大きなお風呂。温泉だったりするともっと嬉しい。だって歩き回って足が疲れるんだもん。足を伸ばしてゆっくり浸かりたいのよ。奈良のホテルは部屋風呂で、バスとトイレが一緒のタイプだったのがちょっと哀しかった。ここのお風呂は広くてゆったり。しかも人も少なくてゆったり浸かれます。極楽極楽〜♪
 お風呂から上がって、ビールを飲みながら(またかよ)夕ご飯。会社帰りの旦那から何度か連絡が入った。当初の予定では、急いで帰っても午前1時とか2時とかにはなるだろうって話だった。もし寝てても電話もらえばすぐ起きるので(ホントに寝てるのかというほど寝起きだけはいい)、布団の中で待ってればいいかなと思ったんだけどね。
 何度か入る途中経過が、妙に早い。え? もう諏訪湖? ここここの調子でいったら12時過ぎには着いちゃわない?なんか思ってたら、11時半頃には到着してしまった。しかも途中でおそば食べて。どどどどんな速度でかっ飛ばして来たんでしょう? どうも熊野以来、運転がアグレッシブな旦那ではあった…。
 ともあれ、この時間に宿に着ければとても楽チンだ。この日はさっさと就寝して、翌日に備えた。
 翌日は天気が崩れるという予報。レースの最中は天気が持ってくれるといいんだけど。

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