タイムボカンシリーズ 番外編「6作目だよ 全員集合!」

ここ、シャレコーベリースでは、いつものように暇な朝が訪れていた。
ムンムン「ねぇーん コケマツ、スカドン、なぁーんの仕事もないのかい?」
コケマツ「はい…社長 どうしてこの会社は何もせずに金がもらえるんでしょ?」
ムンムン「今日のスケジュールは〜?」
コケマツ「10時から会議です。議題は”いかに仕事をやっているように見せかけるか”です」
ムンムン「結局何にもないんじゃないか」
そこへ会長からの通信。
会長「いないいないばばば〜 今日の仕事はタイムリース社がナンダーラ王国にジュジャクを届けに行くので、その邪魔をし、タイムリース社の信用を落とすことにある。これでも失敗したら、今年中はずっと給料なしだ!」
ムンムン「そんな〜! あまりにもひどすぎやしませんか〜?」
コケマツ「そうですよ! ここ3日も何にも食べていないのに…」
会長「おだまり! 文句を言うなら一度ぐらい成功させなさい! といいつつ私は闇の中に消えゆく… いないいないばばば〜」
そこに現われたるはドンファンファン伯爵。
ドンファンファン「ムンムン社長、ご機嫌いかがですか?」
ムンムン「あ〜ら ドンファンファン伯爵ぅ〜」
コケマツ「どうでもいいけど早く行きましょう」
ドンファンファン「ではわたくしもご一緒いたします。」
ムンムン「出発〜っ」

その頃、トッキューザウルスの中では…
ヒカル「早く届けないと歴史が変わってしまう…」
ナナ「そうね ツースリー くわしいことを説明して」
ツースリー「わかったっちゃ ナンダーラ王国ではジュジャクを守り神としてあがめていたんだがにゃ〜。ひょんなことからそのジュジャクが時の渦に巻き込まれて現代にまぎれ込んだんだがな〜。ジュジャクがいなくなってから、天変地異がナンダーラ王国を襲ったんだ〜」

場所は変わってナンダーラ王国。カレン姫がジュジャクはまだかと待ちわびていた。
カレン姫「ジュジャクは…ジュジャクはまだですか?」
タイムリース社ナンダーラ支店長ミレンジョ「この建前姫が…」
カレン「何かおっしゃいましたか?」
ミレンジョ「い〜えいえ」
カレン「早くしないとナンダーラは滅びてしまいます…ダイゴロン、こんな時に相撲の練習はおやめなさい。地割れが起こります」
そこへ東山金五郎がやってきた。
東山「あ、ミレンジョさん、今日こそは家賃払ってもらいます」
ミレンジョ「や、やばい」
カレン「あ、ミレンジョさん」
東山「また逃げられてもーたわいな〜」
そこに到着したムンムンら。
ムンムン「お待ちどうさまでした。ジュジャクをお届けにあがりました」
カレン「お待ちしておりました。さぁ早くこちらへ…」
ムンムンが鳥カゴを渡す。
中には黄金に彩られた一羽のカラス。
カレン「…しばらく見ないうちにどこかその…貧相になりましたね…」
コケマツ「わりーな〜 どうせ俺の絵の腕前は…」
ムンムン「しっ…おだまりっ!」
ムンムンに殴られ失神するコケマツ。
カレン「どうかなさいましたか?」
ムンムン「い、いえ、ちょっと癲癇のケがありまして…」
カレン「まぁかわいそう…でも、こんなことをしている場合ではありません。地震がひどくなってきました。早くジュジャクを祭壇に祭らねば…ダイゴロン、一緒に来てください」
2人は急いで出ていった。

そこに到着したのがヒカルとナナとツースリー。
ヒカル「あの…カレンさんはどなたですか?」
ムンムン「あ…私です」
ヒカル「おい ツースリー、コンピュータがだいぶ狂ってるじゃないか もっと美人のはずなのに…(ムンムンに睨まれ、語尾が消える)」
ツースリー「ホントじゃぁね〜」
ドンファンファン「どこかで聞いた声…」
ツースリー「どこかで聞いた声…」
ドンファンファン「さて どこでしょう?」
ツースリー「どこだったっけね〜?」
ドンファンファン、ツースリー「どこだっけな〜?」
一人とそして一台は首をひねっている(*1)
そこへミレンジョが戻ってきた。
ミレンジョ「あれ…? この人たちは誰だい?」
ムンムン「い、いけない! 早く逃げるんだよっ!」
スカドンが本物のジュジャクを引っつかみ逃げる。
ヒカル「あっ!ジュジャクが…」
ナナ「ヤットデタマンさまーーーっ」
ヤットデタマン「驚き桃の木さんしょの木 いっきに時を渡りきり ついに出た出たやっと出た 地球のアイドル ヤットデタマン とぉーーーっ!!(*2) さぁコヨミくん、大巨人を… あれ? コヨミくん コヨミく〜ん!(*3)
ナナ「今日はお休みだから私がやります」
ヤットデタマン「驚き」
ナナ「桃の木 さんしょの木」
ヤットデタマン「ブリキにタヌキに」
ナナ「洗濯機」
ヤットデタマン、ナナ「やって来い来い大巨人〜(*4)

ジャーン ジャッジャジャーン ジャッジャジャッジャジャジャーッ ジャッジャジャーン(*5)
大巨人「大巨人、お呼びにより ただいま参上!」
ムンムン「こっちも巨大メカを呼ぶんだよっ!」
ミレンジョ「あたしがやるんだい!」
ムンムン「なんだって?」
睨み合う二人。
コケマツ「じゃ、スカドンやろう。イチジクニンジンさんしょの木」
スカドン「ゴボウに泥棒 バッテンボー(*6)
コケマツ、スカドン「やって来い来い 巨大メカ! ブチューッ(*7)
ササヤキレポーター「毎度おなじみ あちらでボソボソ こちらでボソボソのささやきレポーターです。今週のメカは…あっとあれは千代の富士メカです」
千代の富士メカが四股を踏んだ。
大巨人「おおーーーっ」
ヤットデタマン「大巨人っ! どうしたんだっ!」
大巨人「地震の波長とコンピュータの波長が合ってしまった…(*8)
ムンムン「コケ、すごいじゃないか」
コケマツ「実はこの地震は天変地異ので、俺とは何の関係もなかったりして〜」
ムンムン、スカドン、ドンファンファン「シビビン シビビン シビビンビーン」
ドンファンファン「…やりつけないことをやると肩がこります(*9)
コケマツ「ここでいきます 今週のメダマ〜 コケッとな」
千代の富士メカが殻を脱ぎ捨て、精悍なウルフメカに変身した。
ササヤキレポーター「おおっ! ウルフメカです!」
ヤットデタマン「大巨人あぶない!」
ウルフメカが大巨人に襲い掛かり、喉元に食い付いて何本かのコードを食いちぎった。
ヤットデタマン「大天馬を呼べ!」
大巨人が笛を吹くと、空の彼方から大天馬が現われた。
大天馬と合体した大巨人は、後足でウルフメカを大空高く蹴り上げた。
ムンムン「他になにかないのかい?」
コケマツ「あるけど燃料がありましぇ〜ん」
ウルフメカは地面に叩き付けられ、動かなくなった。
大巨人「縦一文字切り〜っ」

ムンムン「どうぞお許しください。私たちは心を入れ替えて、人間をやめ…そうですね…カビになって生きていきます」
大巨人「またサル芝居を始めおったな」
ムンムン「こけっ… さしずめコケマツとスカドンは黒カビに、そして伯爵と私は青カビになりましょう。そして誰にも邪魔されず、誰の邪魔もせずに静かに一生を送るのです」
大巨人「…やっとわかったな…それでいいのだ。罪を憎んで人を憎まず」
大巨人は大空に向かって駆け上がって行った。

幼少のワタルとコヨミ 古いパンを見つける。(*10)
ワタル「あれ〜っ? コヨミちゃん、このパン 青いカビと黒いカビが生えてまちゅよ」
コヨミ「顕微鏡で見てみまちょうよ」
ワタル「あれぇ? この青いカビ 抱き合ってまちゅよ」
コヨミ「あ、ほんちょだ。ねぇねぇ青カビって薬になるんでちょ?」
ワタル「そうっちゅねぇ。じゃぁ黒カビなんかちぎって踏んづけちゃえ!」
二人で踏んづける。

コケマツ「キッタネーなー。自分たちだけ有益なカビになったりしてー」
スカドン「そうだー」
コケマツ「そんなに汚いヤローだとは思わなかったなぁ。バカ! アホ! そんなヤローは大巨人の偏平足に踏まれて死んじゃえっ!」
スカドン「そうだーー! そんなヤローは鉄クズ大巨人と同じだーー!」
カンカンカン…空の合間に点滅する光が見えた。
ムンムン「ま〜ぁ! あんな脳なし大巨人と一緒にしないでおくれ(*11)
ドンファンファン「そうですよ」
大巨人「やっぱりサル芝居だったのか…」
ムンムン「はっ…」
大巨人「大激怒〜っ!」
「おろか…ぶ」
爆発音が響き渡る。
♪やら〜れちゃった くやしいな 今度こそ勝ちましょう さようなら〜♪

その頃、やっと本物のジュジャクが祭壇に飾られたところだった。
カレン「これでナンダーラにも平和が訪れます」
ナナ「よかったわね。さぁ ヒカル、ツースリー 早く帰ってテレビの逆転イッパツマンを見ましょ」
ヒカル「こけっ…」
ツースリー「そうだにゃ〜」
そして二人と一台の乗ったトッキューザウルスは過去に向かって旅立った。
す、するとなんということであろう!
ジュジャクが一緒に時の渦に巻き込まれてしまったのだ…!
カレン「あ…ジュジャクが!」
その時、城の壁が崩れはじめ、地面にひびが入った。
ダイゴロン「カレン姫 ここは危ないでゴンス 早く避難を…」
カレン「…そ、そんな…」   嗚呼!!

ナンダーラ王国の人たちに「一難去ってまた一難」ということわざを教えてまた旅立っていったジュジャク。どこにいるのかジュジャク たれかジュジャクを知らないか−−−。

                               (完)

 

注釈
*1 ドンファンファン伯爵もツースリーも同じ人(作曲家の山本正之氏)が声をやってたんですねぇ。
*2 という登場の仕方をしていたんですね(笑)。
*3 ヤットデタマンに登場する女の子は、「ナナ」ではなく、「コヨミ」でした。なぜここでナナが登場しているのかは、書いた本人にすら不明です(^^;。
*4 だってそうやって呼んでたんだもん(^^;。
*5 書いた私もよ〜わからん(^^;。
*6 はーるか昔の洋物ミュージカル映画(かな?)のタイトル「ボタン・アンド・リボン」が、日本人には「バッテンボー」と聞こえた・・・らしい(^^;。んでもってどうしてそれがこんなとこに出てくるのかは、まったく不明(^^;。
*7 だってそうやって呼んでたんだもん その2(^^;。
*8 だからどうなるっていうんでしょうねぇ(^^;。
*9 シビビンシビビン…というのは「逆転イッパツマン」のギャグ。ドンファンファン伯爵は「逆転イッパツマン」ではなくて「ヤットデタマン」のキャラだからなんですね。
*10 「ヤットデタマン」の毎回のパターンとして、大巨人にケチョンケチョンにされた悪役が改心したフリをしてサル芝居を繰り広げる。子供顔の主人公たちが出てくるのもパターンのひとつ。
*11 「罪を憎んで人を憎まない」心の広いメカであるはずの大巨人だが、「偏平足」「鉄クズ」「脳なし」と言われると怒ってしまうんですね。

 

おそらく10年ほど前の著者コメント
…とゆーわけのわかんない作品は、テスト前夜、突然理由もなく日記に登場したものです。たしか高校1年のときに書いたものだと思います。こーゆーことしてるからクラス45人中ン番とゆー記念的な成績を残してしまったんでしょーね。
しかし、逆転イッパツマンおよびヤットデタマンをよく知ってるヤツでないと、全然情景がわかんないとゆー。ギャグもわかんないでしょーね。私も忘れたもんな。
山本正之さんが声をやっていたツースリーとドンファンファンは私の大好きなキャラです。 あ、ヒカルとナナはさらにさかのぼり、オタスケマンに登場するキャラでした。あしからず。

 

現在の著者コメント
…若気の至りだね(笑)


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