Memorial of LEO 〜 レオに捧ぐ 〜

Last Updated 96/08/28





レオの写真


在りし日のレオ(ちとピンぼけ)





 レオがうちに来たのは1982年の夏のことでした。生後2週間ほどのオスの雑種犬は「レオ」と名付けられました。ミルクを欲しがってぴぃぴぃ鳴いていたその犬は、あまりに小さくか弱くて、目を離した隙に消えてしまいそうに思えました。

 母親が柴犬で、父親もそれほど大きくない犬だから、あまり大きくならないよと言われてもらわれて来たのに、散歩に連れて歩くと「足が太いから大きくなるよ」とみんなに言われました。案の定みるみるうちに膨張し、小型犬、中型犬の大きさを経て、どう考えても大型犬の大きさまで育ちました。あとで聞いたら柴犬のはずの母犬が「柴の雑種」で、それほど大きい犬ではなかったはずの父犬もどうやら間違いだったらしいことが発覚。以後、事あるごとに「サギ犬」と呼ばれていたレオでした(^^;。

 顔立ちは柴犬もどき。色合いはシェパード。けど耳が半分寝てるのよね。散歩してるのとか見ると、耳が風に揺れてはたはたしてて微笑ましくて私は好きでした(笑)。

 散歩と言えば・・・育て方が悪かったのか、散歩に行くときは全力疾走して人を引きずり回す激しい犬でした。なにせ体重が30Kg弱ぐらいあったから、散歩に連れてく方も必死です。レオの行きたいままにまかせてると一生帰って来られないから(一度試しに好きなだけ歩かせてみたら2時間以上引きずり回されたことがある(^^;)、もうほとんど戦いでした(^^;。私のばーいは、全身の力をこめて無理矢理ひっぱり回すものだから、レオはけっけっ言いながらしかたなくついて来てました(^^;。

 母を噛んで怪我をさせたこともあります。近所の肉屋さんが、犬がとても好きな人で、牛の骨なんかが入るとレオのために取っておいてくれたんだけど、レオにそれを与えると興奮して大変だったんです。ちょっとでも手を出そうものなら、がるるる・・・と唸りながら飛び掛かってくる始末。あるときもてあました母が骨を取って隠してしまおうとしたときに、レオが足に噛み付いたんです。それほどの傷じゃなかったんだけど、もしもこれが原因でレオが保健所に連れていかれて始末されるようなことがあったら、私はレオを連れて家出しようと思ったりもしました。今思えばあんな物体連れてどこに行かれるっていうんだろうって気もしますが(^^;。

 芸はあんまりしませんでしたねぇ。ご飯があったり、気が向いたりしたときは、お座り、伏せ、どことなく妙なお手をしたりしましたが。

 そーいや、ムカデと戦って勝ったことがありましたね。以前、玄関で寝てたことがあるんだけど、朝起きて玄関のところを見たら、半分にちぎれたムカデが転がってたの。げげっと思ってレオを見たら、なんか鼻の上のとこが腫れてるの。戦ったんだなと(^^;。結局ムカデに食われたとこは、死ぬまで3mmぐらいのハゲがありました。

 こうやって振り返るとなんかどうしようもない子だよねぇ(^^;。でも、私にとってはこの上なく可愛い子で、世界で一番愛しい子でした。

 結婚して家を出るとき、親もとを離れることよりも、レオと離れることが一番つらくて、「あんたの最後は私が看取るからね」って言い残して家を出た私でした。でも、ごめんね、嘘になっちゃった。

 1996年4月8日レオは死にました。もう14年だったからね。寿命だったのかなぁ。会社から帰って来たら、留守電に母の声で「レオが死んじゃったのよ」って入ってました。死に目に会えなかったどころか、死んじゃったレオにすらあえませんでした。でもって、レオの遺骸はどうしたのかと思ったら、ペットの霊園なんかもあちこちにあったりする昨今、すぐに保健所に引き取ってもらっちゃったというあたりが、なんともうちの親のクールというか実際的なところで(^^;。まぁ、私もペットをあまりに人間的に扱いすぎたりするのは好きじゃないからな。もちろん、あの子は私の最愛の家族ではあったけど。

 やっと最近レオのいないのにも慣れてきて、少しずつよそんちの犬と遊ぶだけの心の余裕ができました。最近は、会社帰りに駅から家まで歩く途中の家で飼われているシベリアンハスキーを柵ごしにいじくるのが日課です(^^;。

 でも、レオってば病気ひとつしない丈夫な子だったな。やっぱ雑種が一番だね。そんなことを思いつつ、でも当分ペットは飼いたくないやと思ったりもする今日この頃・・・。

 あまり明るい話じゃなくてごめんなさい m(__)m。
 読んでくださってありがとうございました。

 

〜2006年12月26日追記〜

 後から知ったことなんだけど、実はレオは自然死ではなかったらしい。
 年を取り、足腰が弱ってきたレオを、動物病院に連れて行って安楽死させたらしい。

 晩年の面倒を見たのは私ではないし、仕事にかまけて実家に帰らず、その苦労もロクに知らないままだったからえらそうなことも言えないんだけど、最後に動物病院に連れていくのに引き綱をつけたら、散歩に行くのかと思って嬉しそうに尻尾を振って歩き出したと聞いて、私は涙をこらえ切れなかった。
 っていうか、いまだにそれを思うと泣かずにいられない。

 ごめんね。私が面倒を見ればよかったのに。
 ごめんね。せめて最後を看取れればよかったのに。


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