2004 Giro d'Italia 第11ステージ

 ジロ・デ・イタリア第11ステージは、ポルトサンテルピーディオからチェゼーナへの228km。ゴール地点のチェゼーナは、今年2月に急逝したパンターニの故郷。いたるところでパンターニのピラータ(海賊)の旗や、もしも今年もジロに出場していたら大勢のファンの声援を受けて走るパンターニの姿が見られたかもしれないのに。しんみり。
 コースはというと、125km地点ぐらいまではほぼフラットだが、後半にのこぎりの歯のようなぎざぎざのアップダウンがある。163.4km(San Marino ってサンマリノだ)に2級、195.7km地点(Sogliano al Rubicone)に3級、212.4km地点(Sorrivoli)に2級の山岳ポイントが設定されている。終盤の上りがなかなか難敵で、3つ目の山岳ポイントに至る上りが18%だったり、ゴール手前2〜3kmの短い上りが13%だったりと手ごわそう。ラストは下ってのゴールだが、ここ数日見られた集団でのスプリント勝負ではなく、逃げ切りで勝負が決まる可能性もある。
 ちなみにファッサの中野マッサーが「今日は割り切って休む日」とコメントしていたそうな。集団の先頭を引くファッサのトレインは見られそうもない。

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 この日も天気は上々。気温もかなり上がっていたらしい。

 アクチュアルスタート直後に13人での逃げが決まった。その後、大集団から7人が追いついて、ハンバーガー、ノチェンティーニ(いずれもアクアエサポーネ)、ランカスター(チェラミケ)、マルロン・ペレス(セッレイタリア)、ヴァノッティ(デナルディ)、コロンボ、デルカンチ(いずれもドミナ)、トザット(ファッサ)、モレ(エフデジュ)、ムラリア(フォルマッジ)、シュトラウス、ヴェークマン(いずれもゲロルシュタイナー)、スフォラーダ(ランプレ)、フェルストレーペン(ランドバウクレジット)、ゲイツ(ロット・ドモ)、フェルトナーニ(フォナック)、ベルトリアーティ(サニエルデュバル)、ボシシオ、ローダ、ポドゴルニク(いずれもテナックス)の20人での逃げとなった。おおむねいつものメンバーという感じ。複数いるのはアクアが2人、ドミナ2人、ゲロルシュタイナー2人、テナックス3人。
 133.9km地点のインテルジロポイントは、シュトラウス、マルロン・ペレス、ハンバーガーの順で通過。

 先頭の20人と大集団との差がちょっとずつ縮まってきた。逃げの集団は活性化。7人が逃げたかと思ったら、7人が追いついて、先頭の14人と残りの6人のタイム差は1分30秒、大集団とは2分50秒となった。ちなみに1つ目の山岳ポイントはヴェークマン、ヴァノッティ、ムラリアの順で通過。

 ごめんなさい。ここからはよくわからんのだけど…。
 そして大集団が山頂を通過し、下りの途中で大集団からカウンターアタックが。マゾン、ザンピエリ(ヴィーニカルデローラ)、セッラ(チェラミケ)、ミホリエヴィッチ(アレッシオ)、ビラ(ランプレ)、ロバト(サニエルデュバル)、ベルタニョッリ(サエコ)の7人。前の集団からセッラを助けるためにランカスターが下がってきて、それからどうもシュトラウス(ゲロルシュタイナー)が落ちてきていたらしい。で、この9人で逃げてた集団に追いついた。…はいいんだが、ここにいるのがハンバーガー、ポスピエーエフ(アクア)、ヴェークマン、シュトラウス(ゲロルシュタイナー)、マルロン・ペレス(セッレイタリア)、コロンボ(ドミナ)、ヴァノッティ(デナルディ)、フェルストレーペン(ランドバウクレジット)、ムラリア(フォルマッジ)、ゲイツ(ロット)、トザット(ファッサ)、フェルトナーニ(フォナック)、スフォラーダ、ビラ(ランプレ)、ベルトリアーティ、ロバト(サニエルデュバル)、マゾン、ザンピエリ(ヴィーニ)、セッラ、ランカスター(チェラミケ)ミホリエヴィッチ(アレッシオ)、ベルタニョッリ(サエコ)って、ポスピエーエフはどこから来た?(^^; しかもcyclingnewsのテキストライブでは「どこから来たか不明だけどもガスパッレ(デナルディ)、イアンエッティ(ドミナ)が先頭で逃げてる」みたいなことが書いてあるし。でもフルリザルト&レポートには一切書かれていない。どうなんだ?。

 ともあれ、それを信じるならば、大集団からアタックし、逃げの集団に追いついたセッラ(今年プロ1年目らしい)が残り39kmの地点でその2人に追いつき、追い越した。大集団とのタイム差は、この時点で3分足らず。そして快調なペースで逃げ続けた。
 先頭はセッラ。その背後には25秒遅れでロバト、ビラ、フォルトナーニ、ベルタニョッリ、1分遅れで逃げの集団の残りの選手、そして約3分遅れでマリアローザのクネゴを含む大集団。実はこのセッラ、第10ステージ終了時点で、クネゴから2分36秒遅れの16位につけていた。ということは、この時点でのバーチャルマリアローザはセッラということになる。サエコもうかうかしてはいられない。

 残り37kmというあたりでセッラを追う4人が背後にいた逃げの集団に吸収された。セッラから逃げのグループまでは45秒、大集団までは3分40秒というところ。
 大勢のパンターニファンが声援を送る中、セッラは急な上り坂を苦しげな表情で、でもペースは落とさず上っていく。サエコが逃げの集団にいたベルタニョッリをも召集して集団のペースを上げるが、思ったようには差が詰まらない。

 先頭のセッラは残り10km。大集団からモレーニ(アレッシオ・ビアンキ)がアタック。ガラテ(ランプレ)らがそれを追う。間には、ザンピエリ、ハンバーガー、ペレス、フェアストレーペンらがまだ残っている。やがてモレーニ、ガラテらがセッラを追う2番手集団に追いついた。

 ゴールまで残り2km。2番手集団の先頭はガラテ。3番手集団は先頭のシモーニが速度を上げる。遅れかけたガルゼッリをトンコフが懸命に引いていく。
 そしてセッラは単独のままラストの下りに入った。ゴール前、セッラはかなり前から自分の勝利を確信していたようだ。両手を高々と上げ、歓喜の雄たけびを上げながらゴールした。
 追走集団は30秒遅れでゴール。モレーニ、ザンピエリ、ハンバーガー、ロバト、ガラテ、ビラの順。そしてそこから14秒遅れでクネゴ、シモーニ、ポポヴィッチ、ガルゼッリらの集団がゴールした。

 ステージ優勝したセッラは若干23歳。体重54kmで、今年のジロに出場している選手の中で一番軽い選手なんだそうだ。バクステッドと40kgぐらい違うんだろうな(^^;。上りに強い選手のようで、今後の活躍がとても楽しみ。

 第11ステージを終えて、個人総合上位には変動なし。ステージ優勝したセッラが個人総合10位に食い込んだ。山岳賞、ポイント賞も変わらず。変わったのはインテルジロ賞のみ。このステージでインテルジロポイントを2番手通過したマルロン・ペレスがマリアアッズーラを手にした。

★ マリアローザ(個人総合)
ダミアーノ・クネゴ(サエコ)
★ マリアヴェルデ(山岳賞)
ファビアン・ヴェークマン(ゲロルシュタイナー)
★ マリアアッズーラ(インテルジロ賞)
マルロン・ペレス(コロンビア・セッレイタリア)
★ マリアチクラミーノ(ポイント賞)
アレッサンドロ・ペタッキ(ファッサボルトロ)
●ステージ順位
順位名前チームタイム
1Emanuele Sellaチェラミケパナリア5.19.08
2Cristian Moreniアレッシオ・ビアンキ0.30
3Steve Zampieriヴィーニカルデローラ
4Bo Hamburgerアクアエサポーネ
5Ruben Lobato Elviraサニエル・デュバル
6Juan Manuel Garate Cepaランプレ
7Francisco Vila Errandoneaランプレ
8Alexandre Moosフォナック0.49
9Damiano Cunegoサエコ
10Yaroslav Popovychランドバウクレジット
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●個人総合
順位名前チームタイム
1Damiano Cunegoサエコ50.43.29
2Gilberto Simoniサエコ0.10
3Franco Pellizottiアレッシオ0.28
4Yaroslav Popovychランドバウクレジット0.40
5Giuliano Figuerasチェラミケパナリア0.52
6Stefano Garzelliヴィーニカルデローラ1.15
7Andrea Noe'アレッシオ1.17
8Serguei Gontcharデナルディ
9Dario David Cioniファッサボルトロ1.19
10Emanuele Sellaチェラミケパナリア1.25

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