コースプロフィール:
ツール・ド・フランス第4ステージはチームタイムトライアル。カンブレからアラスの64.5kmで、19km地点、42km地点に中間計測ポイントがある。細かなアップダウンはあるが、まぁおおむねフラットで、急カーブもない。…とのことだったが、雨天のこの日、ゴール直前に後に「シモーニコーナー」として知られることになる(嘘)スリッピーなコーナーが存在した。雨はやーねー。
現地の天候:
この日はあいにくの雨模様。時間によって、あるいは場所によって、小雨がパラつく程度だったり、バケツをひっくり返したような雨だったりした。しかも気温が上がらず、かなり寒かったらしい。
レースの展開:
レースの展開に触れる前に、まずはチームTTのルール改正について触れておかなければならない。第3ステージ終了時点でのチーム成績の逆順、下位から上位の順でスタートし、5人目にゴールした選手のタイムがチームの成績になるのは去年までと同じ。違うのは、各順位ごとに最大のタイム差が決められたこと。最大タイム差は以下の通り。
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2位のチームの最大タイム差は20秒。たとえば1位のチームよりも15秒遅れて入った場合には15秒遅れのタイムがそのままチーム成績となるが、30秒遅れて入った場合には最大タイム差20秒が適用され、1位のチームよりも20秒遅れのタイムがチーム成績となる。2位だったらば、たとえば1分遅れようと2分遅れようと1位と20秒差しかつかないというわけ(もちろんオーバータイムはあるけどね)。
ただし、これは5人目にゴールした選手までに適用されるルールで、5人目以降で集団から遅れてゴールしてしまった場合には、実際のタイムがそのまま成績となってしまう。
去年までと比べタイム差がつきにくいルールとなり、チームチームトライアルが不得手なチームにとって有利なルール改正といえる。
が、個人的な感想を言わせてもらえば、そんな中途半端なことをしてまでチームタイムトライアルを行なう意味があるのかがちょっと疑問。やるならやるで去年までのルールでやればいいし、そうでないならやめればいいと思ってしまう。
と、そんなこんなのルール改正を経てのチームタイムトライアル。出走順は以下の通りだ。
14:15 | エウスカルテル | |
14:20 | クレディアグリコル | |
14:25 | コフィディス | |
14:30 | R.A.G.T. | |
14:35 | サエコ | |
14:40 | ロット・ドモ | |
14:45 | アレッシオ・ビアンキ | |
14:50 | ブリオシュ・ラブランジェール | |
14:55 | クイックステップ | |
15:00 | ドミナヴァカンツェ | |
15:05 | イリェスバレアレス | |
15:10 | AG2R | |
15:15 | ゲロルシュタイナー | |
15:20 | エフデジュ | |
15:25 | リバティセグロス | |
15:30 | T-Mobile | |
15:35 | ラボバンク | |
15:40 | フォナック | |
15:45 | チームCSC | |
15:50 | ファッサボルトロ | |
15:55 | USポスタル |
さて実際のレース展開。
トップで出走したエウスカルテルが比較的いいタイムで入った。今回のルール改正で一番恩恵を受けるのはエウスカルテルでは?ともっぱらの噂だったが、なんのなんの、エウスカルテルが叩き出したタイムはなかなか塗り替えられず、これを塗り替えたのは11番手スタートのイリェスバレアレスだった。
で、イリェスバレアレス。旧バネストがチームTTを得意としていたことから、きっと今回もいいタイムを出すだろうと思っていたら、エウスカルテルのタイムを1分20秒上回り暫定トップに。しかもこれを上回るチームはなかなか出てこなかった。
エウスカルテルがスタートした頃には上がっていた雨が強くなり始め、落車、パンクなどのトラブルが相次いだ。特にラストのコーナーを入ったあたりはパーヴェ(石畳)になっていて滑りやすかったらしく、サエコのジルベルト・シモーニら何人かが落車していた(白戸さんが「シモーニコーナー」と命名(笑))。このシモーニの落車が痛かった。というのは結果から言ってしまうと、サエコは9位でゴールしているため、トップからは1分30秒差しかつかないはずだった。が、何を思ったのか、他の選手は落車で遅れたシモーニを置いてゴールしてしまったのだ。シモーニは2分42秒遅れという結果になってしまった。焦りもあったんだろうけど、明らかにチームの判断ミス。去年チームTTで遅れて総合争いから脱落してしまったシモーニには痛い仕打ちとなってしまった。
ダントツで遅かったのが14番手スタートのエフデジュだ。マクギーが落車の影響もあって個人総合で大きく遅れてしまった(第3ステージ終了時点で15分29秒遅れの176位)こともあって、総合は諦めたということか。5分後にスタートしたリバティセグロスに抜かれ、7分33秒遅れの最下位でゴールした。しかもマクギーはちょっと遅れて9人目でゴール。7分36秒ものタイム差がついてしまった。
T-Mobileは序盤にアルダークが、続いてグエリーニがパンクで遅れた(しかもホイール交換に手間取った)。アルダークは待ったものの、グエリーニは待たず、早々に8人に。後ほどイワノフも遅れ、7人でのローテーションとなった。それでもイリェスバレアレスより4秒遅れの暫定2位でゴール。トラブルがなければと悔やまれた。ちなみに早い段階で単独走行となってしまったグエリーニ。放送中ではタイムアウトが心配などと言われていたが、とりあえず7分44秒遅れで無事ゴールしている。よかったよかった。グエリーニがいないと山岳でつらいもんね。
災難続きだったのがフォナック。パンクやらなにやらで3人が遅れ、最後は5人でゴールしていた。これはあまりいいタイムは期待できそうもない。と思いきや、なんとイリェスバレアレスを8秒上回り、暫定トップに。ミラクルだ。さすがドーフィネリベレの個人TTで上位に何人も送り込んでいたフォナックだけのことはある。
後に続いたCSCも災難続き。ソレンセン、バッソが落車してバッソはバイク交換。だからといってバッソを置いていくわけにもいかず、タイムロス。T-Mobileよりも遅れてゴールした。
でもってああもう勝手にしてというぐらい強かったのがUSポスタル。序盤こそスローペースだったが(ま、いつも入りはゆっくりだよね)、途中ノバルの脱落で8人になりながらも、そりゃもう美しいローテーションで、しかもあまり必死になってる様子もなく速い。後方の選手なんてエアロバーじゃなくてドロップハンドル持ってるし、追い込んでる様子もないのに速いのはなぜなんだ!? 最初の計測ポイント(19km地点)ではトップ通過のイリェスバレアレスに37秒も差をつけられていたにも関わらず、2つ目の計測ポイントでは37秒差をひっくり返し、おまけに28秒も差をつけてトップに。さらにリードを広げてトップでゴール。2位のフォナックに1分7秒もの大差をつけてのゴールだった。しかもゴールした後の余裕の笑顔はなんなんだろう? ああもう強いとしか言いようがないです。
ということで、マイヨジョーヌは早くもランス・アームストロングの手に。総合上位にはUSポスタル、フォナックがうじゃうじゃという結果と相成った。
気になる個人総合成績10位以下をさくっと拾っておくならば、セビリャ44秒遅れ12位、ウルリッヒ55秒遅れ16位、ジュリック1分遅れ18位、マンセボ1分1秒遅れ19位、ライプハイマー1分8秒遅れ21位、バッソ1分17秒遅れ26位、エラス1分45秒遅れ34位、シモーニ3分22秒遅れ70位、マヨ5分27秒遅れ92位、モロー5分58秒遅れ107位ってな感じです。思いつくままに拾ったので重要な選手が抜けてたりしたらすいません。
それからR.A.G.T.のエディ・セニュールがタイムアウトとなった。落車かなにかで遅れたんだろうか?
●ステージ順位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●個人総合 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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