ツール・ド・北海道2004リザルト

プロローグ

 今年もやってまいりました、とあれにもこれにも書いてる気がするが(^^;。ともあれやってまいりましたツール・ド・北海道。9月15日、札幌市東区モエレ沼公園でプロローグの個人タイムトライアルが行なわれた。

 現地の天候は晴れ。ただし、正午の気温は17度。さすが北海道だ。モエレ沼公園というと、2003年ツール・ド・北海道では最終ステージの会場となったところ。今年は札幌をスタートして函館へ南下するコース設定となっている。

 さて個人タイムトライアル。距離は2.6kmと短めだ。出場全20チームのうちゼッケン番号の大きいチームから小さいチームへと1人ずつスタートしていく。最終走者は去年総合優勝を果たしたNIPPOの広瀬敏選手だ。

 最初に3分10秒を切ってきたのはシマノレーシングの山本雅道選手。それまでのトップタイムを5秒以上上回る3分8秒34という記録はその後もなかなか塗り替えられなかった。その後、ジャイアントARTのデーヴィッド・マッキャン(2001年のチャンピオン)が2秒の差をつけて塗り替えるも、去年プロローグでステージ優勝を果たした愛三工業の西谷泰治選手がさらにこのタイムを2秒も上回り2年連続で最初にリーダージャージを着ることとなった。  (2004年9月16日)

順位名  前チームタイム
1西谷 泰治愛三工業3.04
2デーヴィッド・マッキャンジャイアントART+0.02
3スヴェイン・タフトカナダ+0.02
4山本 雅道シマノ+0.04
5飯島 誠スミタラバネロ+0.04
6福島 晋一ブリヂストンアンカー+0.07
7鈴木 真理シマノ+0.07
8三船 雅彦ミヤタスバル+0.07
9ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.07
10エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.08

第1ステージ

 ツール・ド・北海道第1ステージは、札幌市〜伊達市までの185km。札幌市の中心部、大通公園をスタートし、いったん小樽市に入る。しばらく海岸線を走った後で南下。そこからは上りで、標高400mの朝里峠(63km地点)、500mの中山峠(104km地点)とKOM(山岳ポイント)が2つ。いずれもつるりん的山岳カテゴリでいうところの★★★。札幌市、喜茂別町、大滝村、壮瞥町を経てゴール地点の伊達市に至る。
 ホットスポットは86.5km地点と149.8km地点の2ヶ所に設定されている。

 この日の天気は晴れ。気温は21度で、最高気温は23度という予想だった。

 レース序盤はスローな展開だった。動きがあったのは最初の山岳ポイントに至る上りに差し掛かってから。キナンの橋川、ブリヂストンアンカーの清水、愛三工業の別府がアタック。しかし、3人はやがて集団に吸収。この際カウンターアタックの動きもあったが、これも決まらなかった。
 次にアタックしたのは明治大学の長沼隆行だ。この時集団をコントロールしていたのはリーダージャージを着た西谷を擁する愛三工業。本気で追いにかからなかったこともあり、長沼は最大3分半までリードを伸ばした。

 最初のKOM(山岳ポイント)は長沼が先頭通過。しかし、この後長沼は下りで集団に吸収された。下ったところにあるホットスポットは、ミヤタスバルの三船、NIPPOのリボルツィ、愛三の別府の順で通過した。
 …はいいんだが、このホットスポット通過時に降格処分を受ける選手が頻発。というのは、公道の片側の車線のみをつぶしてレースを行なっているようで、ホットスポット通過時にセンターラインをはみ出して追い越すと降格となってしまうらしい。選手の間からこのあたりのジャッジに対する不満が出ているという話。個人的にはセンターライン云々気にせずフルスプリントで争ってもらいたいと思うけど、まぁ規則ならしょうがない。でもせめてジャッジぐらいは公正にしてもらいたいなぁと。

 ホットスポットの5kmほど先にある補給ポイントで落車が発生。巻き込まれた選手は大学チームの選手が多かったようで、先ほどまで逃げていた長沼選手も巻き込まれた。

 中山峠の上りでワン・カンポ(スミタラバネロ)、鈴木真理(シマノ)、綾部(ミヤタスバル)、ペラス(カナダ)の4人がアタック。このままの順位でKOMを通過した。その結果、最初のKOMも3番手通過したカンポが山岳賞ジャージを獲得した。ただし、この逃げは決まらず、4人はまもなく集団に吸収された。

 いったん下ると、KOMは設定されていないが、標高差にして150mほど(つるりん調べ ←自信がないってことだな(^^;)の上りがある。上り切ったところからは、ゴールまで約40kmの下りとなる。

 上りでアタックが相次ぐが、集団のまま2つ目のホットスポットに到着。カナダ人選手がトップ通過したが、センターラインオーバーで降格。三船(ミヤタスバル)、リボルツィ(NIPPO)、別府(愛三)の順で通過。…って最初のホットスポットとまったく一緒だ。

 この頃から集団の動きが活発になった。NIPPOのテテリウクのアタックに10人ほどが反応。そして後続からさらに追いつき、17人の逃げのグループとなった。後続はリーダージャージを擁する愛三、逃げに誰も送り込んでいないキナンあたりがペースを上げるが、20秒ほどの差がなかなか詰まらない。結局17人のままでゴール勝負となり、早めにしかけたワン・カンポがそのまま逃げ切りステージ優勝を果たした。2位は野寺(シマノ)、3位エヴァンス(カナダ)。
 後続集団は17人から15秒遅れでゴール。リーダージャージを着た西谷もこの集団でゴールし、リーダージャージを失うこととなった。代わって個人総合トップに立ったのは5位フィニッシュのリボルツィ(NIPPO)。2つのホットポイントをいずれも2位通過してボーナスタイムを稼いだ結果だった。  (2004年9月18日)

★ ステージ優勝
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 個人総合
ジュゼッペ・リボルツィ(NIPPO)
★ 山岳賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ ポイント賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 新人賞
守澤 太志(明治大学)
★ チーム総合
NIPPO
●ステージ順位
順位名  前チームタイム
1ワン・カンポスミタラバネロ4.48.02
2野寺 秀徳シマノ+0.00
3キャメロン・エヴァンスカナダ+0.00
4朴 晟伯韓国+0.00
5ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.00
6ミハエル・テテリウクNIPPO+0.00
7福島 康司ブリヂストンアンカー+0.00
8エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.00
9新保 光起愛三工業+0.00
10ホセン・アスキャリイラン+0.00
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●個人総合
順位名  前チームタイム
1ジュゼッペ・リボルツィNIPPO4.51.09
2ワン・カンポスミタラバネロ+0.01
3キャメロン・エヴァンスカナダ+0.02
4野寺 秀徳シマノ+0.03
5エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.04
6ホセン・アスキャリイラン+0.04
7新保 光起愛三工業+0.05
8福島 康司ブリヂストンアンカー+0.06
9朴 晟伯韓国+0.06
10山本 泰裕NIPPO+0.06

第2ステージ

 ツール・ド・北海道第2ステージは、虻田町〜長万部町の174km。スタート後、いきなり標高差にして200mほどの上りが登場。以降、序盤は細かなアップダウンの連続だ。中盤に標高差にして700mほども上る山がある。78.1km地点につるりん的山岳カテゴリでいうところの★★★のKOM(山岳ポイント)があり、標高差にして200mほどをいったん下り、このステージでもっとも標高の高い地点(89.9km地点。標高900m超)を通過。ちょい下ってから★のKOM(97.6km地点)までまた上り。そしたら標高800m超の地点から標高差にして800mほどのダウンヒルが。残り20kmほどの地点にちょっとした上りがあるが、あとはおおむねフラットというプロフィールとなっている。
 ホットスポットは最初の山岳直前の62.7km地点とラストのちょっとした上り直前の153.5kmの2ヶ所。

 この日の天気は曇り時々晴れ。レース序盤にちょっと雨がぱらついたようだが、本格的な降りにはならなかった。予想最高気温は20度。ロードレースには最適の気候かも。

 この日はスタート直後から積極的なアタックがあった。その中からカナダのデレク・マクマスターとミヤタスバルの石田の逃げが決まり、一時は1分ほどのリードを持ったがやがて吸収。

 その後もアタックが続き、48km地点で13人の逃げが決まった。ここにいたのは広瀬と岡崎(NIPPO)、山本と土井(シマノ)、別府と西谷(愛三)、真鍋(ミヤタスバル)、ヒルガーとウルジオルシキ(マルコポーロ)、水谷(ブリヂストンアンカー)、飯島(スミタラバネロ)、エヴァンスとマクマスター(カナダ)。集団との差が徐々に広がり始めた。
 最初のホットスポットは、水谷(ブリヂストン)、山本(シマノ)、広瀬(NIPPO)の順で通過。ホットスポット通過後に、逃げのグループから愛三の西谷がアタックをかけた。西谷は単独で逃げ続け、最初のKOMをトップ通過。逃げのグループでは土井(シマノ)、山本(シマノ)、岡崎(NIPPO)、別府(愛三)、ヒルガー(マルコポーロ)、エヴァンス(カナダ)、水谷(ブリヂストン)までがポイントを獲得した。この時、西谷と2番手集団とのタイム差は1分45秒、メイン集団とのタイム差は2分40秒。
 その後、2番手集団から別府がアタック。残りの選手はメイン集団に吸収された。先頭の西谷をチームメイトの別府が追い、その後ろに大集団という状況で、大集団から福島真一(ブリヂストン)アタックした。福島は別府に追いついたが、コーナーで落車。別府も巻き込まれ、集団に吸収されることとなった。
 2つ目のKOMも西谷がトップで通過した。後続の集団はバラけはじめており、2番手集団の先頭はミズバニ(ジャイアントART)。山岳賞リーダーのワン・カンポ(スミタラバネロ)が3位で通過して2ポイントを獲得。リーダーの座を守った。4位通過の野寺(シマノ)までがポイントを獲得。

 ここまで逃げてきた西谷は、下りで集団に吸収された。この後で先ほども逃げのグループにいたマルコポーロのヒルガーと、カナダのタフトが集団から抜け出した。後続は、遅れていた集団(マラカイトジャージを着たリボルツィもこの集団にいた)が追いついて、ひとつの集団に戻った。と思ったら、さらにここからブリヂストンの清水都貴がアタックして前の2人に追いついた。先頭3人と集団の差は1分30秒。2つ目のホットスポットはこの逃げのまま清水、タフト、ヒルガーの順で通過した。

 ホットスポット通過後、まずはイランの2選手、アスキャリとモスタファが、続いてキナンの橋川、加えてペラス(カナダ)、エヴァンス(カナダ)、狩野(シマノ)、真鍋(ミヤタスバル)、飯島(ラバネロ)、米山(ラバネロ)、山本(NIPPO)、カーター(マルコポーロ)の8人が追いついて、逃げのグループは14人に。

 が、後続集団のペースが上がり、あっという間にタイム差が詰まってきて、残り5kmで吸収。そして集団でのゴールスプリントとなった。
 ゴール勝負を制したのはプロローグで優勝した愛三工業の西谷泰治選手。西谷選手といえば、さっき山岳で単独の逃げを打っていたはず。そこでさんざん脚を使った挙げ句にゴールスプリントでステージ優勝してしまうとは。強いっす。
 以下、2位ジャイアントARTのデーヴィッド・マッキャン、3位ワン・カンポと続いた。

 ステージ優勝した西谷選手は、前日の第1ステージで15秒遅れの集団でゴールした上、このステージでセンターラインオーバーで20秒のペナルティを食らったらしい(どこでだ?)。ゴール順位で10秒のボーナスタイムをもらったが、プラスマイナスでいうとマイナス。トップから23秒遅れの33位となり、総合優勝争いからは脱落してしまった。
 リーダージャージを着たリボルツィは途中遅れたものの集団に復帰。タイム差なしの10位でゴールしたが、第1ステージ終了時点で1秒差の2位につけていたワン・カンポ(スミタラバネロ)が3位で入って4秒のボーナスタイムを獲得。マラカイトジャージを着ることとなった。ワン・カンポはマラカイトジャージの他に、山岳賞ジャージ、ポイント賞ジャージも獲得した。  (2004年9月19日)

★ ステージ優勝
西谷 泰治(愛三工業)
★ 個人総合
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 山岳賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ ポイント賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 新人賞
糸賀 賢司(日本大学)
★ チーム総合
NIPPO
●ステージ順位
順位名  前チームタイム
1西谷 泰治愛三工業4.27.17
2デーヴィッド・マッキャンジャイアントART+0.00
3ワン・カンポスミタラバネロ+0.00
4野寺 秀徳シマノ+0.00
5水谷 壮宏ブリヂストンアンカー+0.00
6ジャムスラン・ウルジオルシキマルコポーロ+0.00
7朴 晟伯韓国+0.00
8張 慶桐韓国+0.00
9糸賀 賢司日本大学+0.00
10ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.00
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●個人総合
順位名  前チームタイム
1ワン・カンポスミタラバネロ9.18.24
2ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.02
3キャメロン・エヴァンスカナダ+0.05
4エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.05
5野寺 秀徳シマノ+0.06
6ホセン・アスキャリイラン+0.07
7新保 光起愛三工業+0.07
8福島 康司ブリヂストンアンカー+0.08
9朴 晟伯韓国+0.08
10山本 泰裕NIPPO+0.09

第3ステージ

 ツール・ド・北海道第3ステージは、八雲町〜上磯町の187km。今年のツール・ド・北海道最長のステージだ。
 序盤と終盤に標高400mほどの峠があり、KOM(山岳ポイント)は25.4km地点と158.6km地点の2ヶ所。いずれもつるりん的山岳カテゴリでいうところの★★だ。中盤はしばらく海岸線を走行。風が強いのかどうなのか。2つ目の峠を越えたら坂を下ってゴールとなる。
 ホットスポットは最初の山を下った44km地点と海岸線を離れてアップダウンの合間の122.8km地点の2ヶ所となっている。

 この日の天気は曇り時々雨。夜のうちに雨が降ったようで、スタート時は路面がウェットだった。予想最高気温は23度。

 この日はスタートからハイペースな展開だった。集団からアタックする選手が相次いだが、いずれも決まらなかった。積極的に動いていたのはブリヂストンの清水都貴、NIPPOの岡崎あたり。岡崎はプロローグで落車して第1ステージで蜂に刺されるアクシデントがあったそう。踏んだり蹴ったりだが頑張っている。

 最初のKOMではワン・カンポ(ラバネロ)、ミズバニ(ジャイアント)、狩野(シマノ)らがポイントを獲りに行った。トップ通過はワン・カンポ。2位通過のミズバニはセンターラインオーバーで降格となり、ペラス(カナダ)、狩野、アスキャリ(イラン)、別府(愛三)までがポイントを獲得した。

 1つ目のホットスポットは三船(ミヤタスバル)、米山(ラバネロ)、リボルツィ(NIPPO)がポイントゲット。2位通過の野寺(シマノ)はこれまたセンターラインオーバーで降格。多いなぁ。

 相変わらず集団からのアタックが続くが、マラカイトジャージを抱えるスミタラバネロのチェックもあってなかなか決まらない。海沿いの道に出る頃には集団は小康状態に入った。

 この日2つ目のホットスポットが近づいてきた。ここで集団は活性化。スプリント勝負の末、野寺(シマノ)、山本(シマノ)、リボルツィ(NIPPO)がポイントを獲った。

 海岸線を離れると、また集団がゆったりペースに戻った。KOMが設定された峠でペースが上がるか動きがあるかするかと思いきや、ラバネロコントロールのまま淡々と進んだ。2つ目のKOMはワン・カンポがトップ通過。着実にポイントを拾っていく。以下、西谷(愛三)、狩野(シマノ)、ミズバニ(ジャイアントART)、守澤(明治大学)がポイントを獲得した。

 ラストの下りに入った。集団から抜け出しをはかる選手が相次ぐが、逃げてはつぶされ、つぶされてはまた逃げるという展開で、いずれも決定的な逃げとはならなかった。そして今日も今日とて集団でのゴールスプリントと相成った。
 ゴール手前数十メートルでシマノの野寺が落車。集団の前方での落車だったが、左端で集団とは反対側に滑るような形で落車したため、後続には影響がなかった。
 でもってゴールスプリント。ラストはワン・カンポ西谷の勝負となり、ワン・カンポが先行したが、ゴール手前で西谷が抜き去りステージ優勝を果たした。今大会ステージ3勝目、しかも2日連続でのステージ優勝だ。
 以下、2位はワン・カンポ、3位はブリヂストンアンカーの水谷という結果となった。個人総合トップのワン・カンポは、ゴール勝負では競り負けたが、しっかり2位に入り、マラカイトジャージを守った。
 それにしてもこれだけ強い西谷が個人総合17位というのはなんだかとっても不思議な感じだ。悪質な違反ならしょうがないけど、そうでないので成績が決まってしまうのはどうなんだろうとちょっと思ってしまった私ではあった。  (2004年9月19日)

★ ステージ優勝
西谷 泰治(愛三工業)
★ 個人総合
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 山岳賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ ポイント賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 新人賞
守澤 太志(明治大学)
★ チーム総合
NIPPO
●ステージ順位
順位名  前チームタイム
1西谷 泰治愛三工業4.25.34
2ワン・カンポスミタラバネロ+0.00
3水谷 壮宏ブリヂストンアンカー+0.00
4朴 晟伯韓国+0.00
5三船 雅彦ミヤタスバル+0.00
6ホセン・アスキャリイラン+0.00
7ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.00
8デーヴィッド・マッキャンジャイアントART+0.00
9エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.00
10キャメロン・エヴァンスカナダ+0.00
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●個人総合
順位名  前チームタイム
1ワン・カンポスミタラバネロ13.43.52
2ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.06
3野寺 秀徳シマノ+0.09
4キャメロン・エヴァンスカナダ+0.11
5エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.11
6ホセン・アスキャリイラン+0.13
7新保 光起愛三工業+0.13
8福島 康司ブリヂストンアンカー+0.14
9朴 晟伯韓国+0.14
10山本 泰裕NIPPO+0.15

第4ステージ

 ツール・ド・北海道第4ステージは、七飯町〜函館市の157km。山がちな今大会だが、このステージでは序盤、中盤、終盤と3つの山があるものの、いずれも標高は200〜250m程度。80.2km地点、129.2km地点にKOM(山岳ポイント)が設定されているが、つるりん的山岳カテゴリでいうところの★、標高差にしても200〜250m程度の上りだ。ラストは下り基調でゴールに至る。ゴールは函館市役所前なんですって。
 ホットスポットは54.8km地点と98km地点の2ヶ所となっている。

 前日から降り続いた雨がレース直前に上がった。スタート時はウェットだった路面もやがてドライに。予想最高気温は24度。

 この日、キナンCCDの三浦恭資選手が未出走。体調は良く気合もバリバリだったとのことだけど、何があったんだろう? ともあれ78人がスタート。

 この日もスタート直後から積極的な動きがあった。スタート後数キロで最初の上りに達するが、ここで12人の逃げが形成された。乗り遅れちゃいかんと背後から次々合流。最終的には27人の先頭集団となった。メンバーはというと、NIPPOのテテリウクリボルツィ(2名)、シマノの土井狩野鈴木(3名)、愛三は田中秋田新保(3名)、キナンは柿沼広瀬(3名)、ミヤタスバルは三船真鍋 (2名)、イランはアスキャリ(1名)、マルコポーロはカーターヒルガー(2名)、ブリヂストンアンカーは水谷福島晋一福島康司(3名)、スミタラバネロはワン・カンポ(1名)、カナダはぺラス(1名)、韓国は朴鐘孝朴晟伯(3名)、ジャイアントARTはホランズミズバニ(2名)。とオフィシャルサイトにもCyclingWeb.jpにも書いてあるんだけど、どう数えても26名なんだが…。
 ともあれ、そんなこんなのすごいメンツの先頭集団。後続の集団との差は1分半前後。後続集団の先頭は、総合4位につけるエヴァンスを先頭集団に送り込めなかったカナダチームとアスキャリ1人だけのイランチーム。他に総合上位では、総合3位の野寺(シマノ)が逃げに乗りそこなっている。シマノは先頭集団に3人を送り込んでいるものの、エースが入ってないんじゃ先頭交代に加わるわけがない。タイム差はここから徐々に縮まり始める。
 先頭集団で積極的に動きを見せたのは福島兄弟。さすがに逃がしてはもらえなかったが、ホットスポットを通過して逃げの集団が吸収された後も積極的にアタックを繰り返した。

 最初のホットスポットは、三船(ミヤタスバル)、鈴木(シマノ)、ペラス(カナダ)の順で通過。

 KOMの数キロ手前で清水裕輔(ブリヂストン)、ペラス、狩野が集団から抜け出した。何人かが後を追うがこの逃げは決まらず。続いてKOMの1km手前でミズバニと狩野がアタック。2人先行のままKOMを通過した。ミズバニ狩野西谷ペラスがポイントを獲得。3位通過の朴晟伯はセンターラインオーバーで降格処分を食らったそうだ。
 下りきったところにある2つ目のホットスポットは、三船野寺マッキャン(ジャイアントART)の順で通過。三船選手がボーナスタイムを稼いで順調に総合順位を上げてきている。

 104.5km地点にある補給所で落車発生。福島康司、ミズバニが巻き込まれた。補給所での落車が多いなぁ。深刻なダメージはなかったようで、2人ともまもなく集団に戻った。
 その頃、集団の先頭でブリヂストンアンカーの水谷がアタック。その後チームメイトの清水都貴が追いついて2人で逃げ始めた。が、この逃げも長くは続かず、2つ目の山岳ポイント手前で吸収された。

 2つ目のKOMは朴晟伯(韓国)、ぺラス(カナダ)、狩野(シマノ)、福島晋一(ブリヂストン・アンカー)の順で通過したと書いてあるけど、リザルト見ると朴、狩野、ペラス、福島の順になってるぞ。どっちなんだ?

 残り20kmを切ってブリヂストンアンカーの福島晋一、NIPPOの山本、鹿屋体育大学の村上がアタック。が、村上がまず遅れ、残る2人もまもなく吸収。

 残り5km。キナンの橋川がアタック。が、この逃げも決まらず。今日も今日とて集団ゴールスプリントとなった。先行したのは愛三の西谷。背後にはワン・カンポがつけている。と右側から上がってきたのは韓国の朴晟伯。そのまま西谷をかわしてステージ優勝。2位には西谷をまくりワン・カンポが入った。朴は19歳の若い選手なんだって。もしゃもしゃ頭が印象的だ。

 各賞上位に変動なし。個人総合を見ると、ホットスポットでボーナスポイントを稼いだミヤタスバルの三船がトップと18秒差の6位まで上がってきた。最終ステージのクリテリウムでは4つの中間スプリントポイントが設けられている。通過順位とゴールでの順位次第ではポディウムも狙える位置につけた。  (2004年9月21日)

★ ステージ優勝
朴 晟伯(韓国)
★ 個人総合
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 山岳賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ ポイント賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 新人賞
守澤 太志(明治大学)
★ チーム総合
NIPPO
●ステージ順位
順位名  前チームタイム
1朴 晟伯韓国3.35.17
2ワン・カンポスミタラバネロ+0.00
3西谷 泰治愛三工業+0.00
4広瀬 敏NIPPO+0.00
5S.R.S.モスタファイラン+0.00
6ジャムスラン・ウルジオルシキマルコポーロ+0.00
7綾部 勇成ミヤタスバル+0.00
8エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.00
9三船 雅彦ミヤタスバル+0.00
10糸賀 賢司日本大学+0.00
spacer
●個人総合
順位名  前チームタイム
1ワン・カンポスミタラバネロ17.19.03
2ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.12
3野寺 秀徳シマノ+0.13
4キャメロン・エヴァンスカナダ+0.17
5エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.17
6三船 雅彦ミヤタスバル+0.18
7ホセン・アスキャリイラン+0.19
8新保 光起愛三工業+0.19
9デーヴィッド・マッキャンジャイアントART+0.20
10山本 泰裕NIPPO+0.21

第5ステージ

 ツール・ド・北海道最終ステージは上磯町で行なわれるクリテリウムだ。4km×15周の60kmと距離は短い。が、3周目、6周目、9周目、12周目にホットスポットが設定されている。ここまで毎日のように集団ゴールで総合上位でもあまりタイム差がついていない。1位通過で3秒、2位で2秒、3位で1秒のボーナスタイムがもらえるため、こつこつ拾ってゴールでのボーナスタイム(1位10秒、2位6秒、3位4秒)を稼げば表彰台を狙える選手も1人や2人ではない。
 また、ホットスポットでは1位5ポイント、2位3ポイント、3位1ポイント、ゴールでは最大25ポイント(1位25ポイント、2位20ポイント、3位16ポイント、4位14ポイント、5位12ポイント、6位10ポイント、以下1ポイントずつ減って15位までポイントが与えられる)を獲得できる。最大45ポイント獲得できるため、理論上では7位のリボルツィまでがポイント賞ジャージを手にする可能性が残されていることになる(もちろん上位の選手がポイントを獲らなければの話だが)。
 そんなこんなで最後の最後まで目を話せない展開となりそうだ。

 この日の天気は曇り。予想最高気温は21度。走るにも観るにも最適って感じかしらん。

 距離が短いこともあり、この日のスタートはちょっと遅めの13時半。12km地点に最初のホットスポットがあるため、スタート直後から積極的なアタックが見られた。が、そうそう簡単には逃がしてもらえない。
 第3ステージで落車した愛三工業の別府がこの日最初のリタイヤ。怪我がひどかったのかな。残念だけどしょうがない。

 最初のホットスポットは、前日ステージ優勝を果たした朴晟伯(韓国)がトップ通過。調子いいなぁ。2位にワン・カンポ、3位には飯島誠が入った。飯島はワン・カンポのチームメイト。ワンのライバルがポイントおよびボーナスタイムを稼ぐのを阻止したわけだ。ナイスアシスト。

 アタックを試みる選手は何人もいたが、いずれも決まらず。集団のまま2つ目のホットスポットに到着した。先頭で通過したのは愛三の西谷。2位三船(ミヤタスバル)、3位朴晟伯(韓国)の順で通過した。三船は第4ステージ終了時点でトップと18秒、4位、5位と17秒差の総合6位。ボーナスタイムを稼ぎ、この時点で総合4位にまで浮上した。
 朴が着実にポイントおよびボーナスタイムを稼いでいる。が、朴は前日KOM(山岳ポイント)でのセンターラインオーバーで20秒のペナルティを食らったため、個人総合9位から18位に順位を落としてしまった。それがなかったら個人総合トップも狙えていたはずなのに。

 2つ目のホットスポット通過後に7人の逃げが決まった。土井(シマノ)、テテリウク(NIPPO)、エヴァンス(カナダ)、モアザデン(イラク)、ラジャブロウ(イラン)、福島康司(ブリヂストン)、ヒルガー(マルコポーロ)の7人だ。集団との差は17秒。まだそれほど離れていない。
 3つ目のホットスポット手前でヒルガーがアタック。ヒルガーモアザデン土井の順で通過した。ヒルガーは第4ステージ終了時点で個人総合5位。ボーナスタイムを稼いで4位に順位を上げた。

 その後、集団はまたひとつに戻った。シマノの土井、カナダの選手(エヴァンスあたり?)が仕掛けるも、4つ目のホットスポットもやっぱり集団での通過となった。先頭は、以下三船ワン・カンポがポイントを獲得した。朴はここまで11ポイントを獲得。第4ステージ終了時点でトップのワン・カンポが81ポイント、朴は62ポイントで3位につけていた。この時点でのポイント差は12ポイント。ゴールでのポイント次第で朴にもポイント賞リーダーのチャンスがある。

 そして集団のまま最後の周回に入った。残り500mでなんとワン・カンポがアタック。どうして? 個人総合は安泰だし、いい位置でゴールすればポイント賞リーダーの座も守れるはず。ちょっとこの動きのわけがわからなかった。
 で、ワン・カンポのアタックは決まらず、集団に吸収。勝ったのは朴晟伯。2日連続のステージ優勝だ。2位にヒルガー、3位にリボルツィ、4位に野寺が入った。気になるワン・カンポの順位は10位。個人総合、山岳賞は守ったものの、ポイント賞ジャージは朴の手に渡り、完全優勝は逃した。
 チーム総合優勝は3年連続でTeam NIPPO。素人さんな私にはなかなかチーム総合に関わる動きまでは見えてこないんだけど、Bienvenuti! Team NIPPOに載ってた第5ステージの大門監督のコメントにそのあたりが詳しく書かれていてなるほどなぁと思った。他のステージのコメントも興味深いのでぜひご一読を。

 ということで6日間に渡って繰り広げられた戦いも今日で終了。毎日集団ゴールでペナルティで総合争いから脱落した選手がいたのがちょっと残念といえば残念だけど、それでも十二分に楽しませてもらった。ただし、時差のないとこで日中に行なわれるレースを気にしつつ、でもネットでチェックすることもできずに働くのはとてもストレスが溜まることだと気がついた。来年はなんとか都合をつけて現地で観戦したいなぁと心から思った私ではありました。  (2004年9月22日)

★ ステージ優勝
朴 晟伯(韓国)
★ 個人総合
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ 山岳賞
ワン・カンポ(スミタラバネロパールイズミ)
★ ポイント賞
朴 晟伯(韓国)
★ 新人賞
守澤 太志(明治大学)
★ チーム総合
NIPPO
●ステージ順位
順位名  前チームタイム
1朴 晟伯韓国1.19.29
2エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.00
3ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.00
4野寺 秀徳シマノ+0.00
5清水 裕輔ブリヂストンアンカー+0.00
6水谷 壮宏ブリヂストンアンカー+0.00
7三船 雅彦ミヤタスバル+0.00
8橋川 健キナンCCD+0.00
9西谷 泰治愛三工業+0.00
10ワン・カンポスミタラバネロ+0.00
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●個人総合
順位名  前チームタイム
1ワン・カンポスミタラバネロ18.38.29
2ジュゼッペ・リボルツィNIPPO+0.11
3エディ・ヒルガーマルコポーロ+0.11
4野寺 秀徳シマノ+0.16
5朴 晟伯韓国+0.16
6三船 雅彦ミヤタスバル+0.17
7キャメロン・エヴァンスカナダ+0.20
8西谷 泰治愛三工業+0.21
9ホセン・アスキャリイラン+0.22
10新保 光起愛三工業+0.22

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