8th TOUR OF JAPAN 第5ステージレポート

会場入り

 というわけで(実はこの第5ステージから書き始めてるので、そこから読んだ人は何のこっちゃかさっぱり不明なことだろう)宇都宮市森林公園に程近い厚生年金福祉施設「ウェルサンピア栃木」を後にし、レース会場へGo!
白戸さんの後姿
 途中、コンビニに寄って食料、ドリンクを仕入れる(どうでもいいが、レース観戦が続くとおにぎりだけで生き延びてる状態になる。いかんなぁ)。
 で、出てきたところで出会ったのが、ロードに乗った白戸太朗さん。コースを試走しているところだそうな。とりあえずそこで別れ、車で追い抜きがてら窓から「Alle!」だの「Venga!」だの大騒ぎした挙げ句(迷惑(^^;)、路肩に車をとめて待ち構え、写真を撮ろうと思ったらデジカメの準備が間に合わずブッちぎられた(笑)。右は去り行く背中の図。

 レース会場にたどり着いたのは9時過ぎだったか。スタート/フィニッシュ地点近くの駐車場に車をとめ、各チームのテントが立ち並んだ一角に足を運んだ。実は前日下見に来た時、ちょうどテントにチームの名前が書かれたプレートを設置しているところだったので、「ミヤタスバルのテントに『鶴参上』とか書いといたらウケるだろうね」って話をしたのであった。いえ、大人なのでしませんでしたが。
 ミヤタのテントの前で絹代さん発見。話をしていたら、我々、またもスタート時間を間違えていたことに気づく。11時だと思ってたら10時だったのね。どうりで人が多いと思ったよ。
 教訓:スタート時間はちゃんと確認すべし。

 そうそう思い出した。本部テントのあたりを通りかかったら、運営スタッフのおじさんが「レースが終わったら5分で表彰だ! イタリア人にできて俺らにできないわけがない!」と言っているのが聞こえてちょっと笑った。

レース

 スタート時間まであまり間がなかったので、赤川ダム、釣堀脇を通って古賀志林道を上り始めた。スタートは見ずに、しょっぱなから坂を上るのを見ようという寸法。これまた前日下見をした際、ダム脇の事務所にてロードやMTBをレンタルできるということがわかったんだけども、わたくし、上りがメチャメチャ苦手なもんで今回は徒歩でということになった。すいませんね。練習しときます。
山頂には山岳ポイントが
 てくてくてくてくと坂を上り、大汗かいてぜーはー言いながら坂を上った。この日の予報は曇り。でも結構いい感じで晴れていて、動くと汗ばむぐらいの気候だった。ちょうど集団がスタートする頃に山頂に到着。ジャパンカップの時は、この手前までしか行かなかったので、初めて山頂を拝んだよ。山頂には山岳ポイントが。残り12周(4周目)、残り8周(8周目)、残り4周(12周目)の各周回に山岳賞が設定されている。山岳賞も気にならなくはないけれど、斜度がキツいのはその手前。というわけで、山頂を指差し確認した上で、もと来た道を下り始めた。

 そして木立越しに下の方が見通せる場所に落ち着いた。まもなく集団が通過。いきなりシマノの山本ら数人が速度を上げ、集団はいきなり長くなった。
 忘れちゃいけない。プリントアウトして持っていったスタートリストに周回数を「正」の字で書き入れる。旦那は同じく手にしたスタートリストにあらかじめ残り周回数と現在の周回数を書き入れておいて、集団が過ぎたら消していく方法でチェック。この日は間違えずに(しかも自信を持って)カウントできた。初めての快挙だ(笑)。
 この日は、しっかりメモを取りながら観戦した。何周目、大まかな時間、どんな状態かってのを、手首にしたフェスティナのツール・ド・フランスクロノでタイム差を測りつつメモ。は、いいんだが、自分の字が汚くて読めないんですが(^^;。でも現在の状況を把握するのに役立ったし、後で速報にまとめる時にもとても便利だった。毎回やるかと言われると、忙しくて大変だから即答はできないけど。

1周目集団の先頭 1周目集団半ば 1周目集団半ば
をっとカメラバイクが入ってしまった。1周目集団の先頭で速度を上げたシマノ山本選手。 集団真ん中ヘン。右端はキナンの学くん(と勝手に親しげ)か。後ろにミヤタスバル三船選手の姿も見える。 その後ろ。ミヤタスバルの真鍋選手。

 ここでこのステージのコース説明をば。宇都宮市森林公園をスタートし、赤川ダム(補給地点はこのあたり)、釣堀脇を通り、山岳ポイントのある山頂まで約1kmの間に標高差にして100mほどもうねうね上る(最大勾配14%)。その後はダウンヒル。ゴルフ場、牧場(車で通ったら「うーん、牧場」って感じの匂いがした。選手は気にならないんだろうか?)脇を通り、左折して県道へ。そして1.5kmほど走って田野町交差点を左折したら、スタート/フィニッシュ地点まで上り基調のコースとなっている。1周10.3kmを15周回する154.5kmだ。
 宇都宮市森林公園周辺周回コースというとジャパンカップの開催地としても有名だが、ジャパンカップでは上記説明で言うと、田野町交差点を左折し、スタート/フィニッシュ地点まで上る中間地点ぐらい(萩)を右折。大回りして鶴カントリークラブまでの上りをこなす、全長14.1kmのコース設定になっている。で、ラストの周回のみ萩で右折せず直進するショートカットコースが使用されるんだけども、このショートカットコースが今回使用されるのと同じコースなわけ。
 説明が長くなりました。

 1周目の集団を見送った後で、旦那はもうちょっと下の方に下っていった。私はすぐ近くにいた2人組(テレビのスタッフ?)の無線目当てにそこに残った。無線の情報によるならば、先行していた20人ほどの集団から半分ほどが脱落。10人の逃げのグループとなったそう。このグループには、総合に絡むところでは2秒差で2位につけた福島晋一(ブリヂストンアンカー)、16秒差で3位につけたロバート・ロザノ(エチェオンド)、すいません、どのぐらいの差で何位につけてるのか不明なのが情けないとこですが、山岳賞ジャージを着た鈴木真理(シマノ)がいる。そして、緑色のリーダージャージを着た別府匠(愛三)は後続集団の真ん中ヘンにいるとのこと。
2周回目の先頭集団
 そして2度目に上って来た時には2人が脱落して先頭集団は8人になっていた。先ほど挙げた総合上位の3人は相変わらずこの中にいる。右の写真は2周回目の先頭集団。福島選手が先頭。すぐ後ろがNIPPOのアイトール・ガルドス。このアイトールがそりゃもうメチャメチャ可愛い。ミーハーつるりんイチオシ。…なんてなことはさておいて。その後ろにちょこっと見える青ジャージがロバート・ロザノですね。え? 写真が小さくて見えない?(^^;
 背後の集団は長く伸びていた。このところ調子を落としていて、昨日も遅れてしまっていたミヤタスバルの中川選手。この日は集団前目にいる。調子が上がってきたんだろうか? 自分自身走らないので(いや、近所は走るけども)、ステージレースを走ってる中で調子が上がるってのがどうしても理解できない。ともあれここぞとばかり声援を送る。

 1周約15分ペース。目の前を走っていない時はヒマだけど、無線があれば状況がわかっていいや、なんて思っていたら、無線を持った2人組が場所を移動してしまったのであった。ドナドナドナド〜ナ〜(;_;)。
芋虫くん
 というわけでちょっと下って旦那と同じ場所で観戦。以降、選手が通過している時はタイム差チェックとメモ書きで忙しく、誰もいない時はとてもヒマだったため、レースの写真ではなく左図のような写真が多くなる。何かってーと、ずっと足元でうごうごしてた芋虫くん。虫がお嫌いな方にはごめんなさいってことで。

 次に目の前に来た時には、先頭がマカンディナのビュエティガー、シマノの狩野、NIPPOのアイトール・ガルドス、エチェオンドのセバスティアンの4人になっていた。そこから10秒ほど遅れて福島晋一とロバート・ロザノ、20秒ほど遅れてNIPPOのテテリュクが単独で。集団もいくつかにわかれていて、千切れてしまっている選手もいる。

 そして4周回目。先頭の4人に2人が追いつき、ビュエティガー(マカンディナ)、狩野(シマノ)、アイトールガルドス(NIPPO)、福島晋一(BS)、セバスティアン(エチェオンド)、ロバート・ロザノ(エチェオンド)の6人に固まった。6人の逃げは11周目まで続き、最大3分半ほどまでリードを伸ばした。
 と書いたが、改めて自分で書いた速報を見直してみたら、「ビュエティガー(マカンディナ)、狩野(シマノ)、アイトールガルドス(NIPPO)、福島晋一(BS)、セバスティアン(エチェオンド)の6人に固まった」と書いてあった。5人しかいないやん(^^;。
 ともあれ。後続は2分半遅れで26人、あとはバラバラという状況だった。後続の集団の先頭は個人総合首位の別府を擁する愛三。西谷が懸命にペースを上げるが、なかなかタイム差が詰まらない。

11周回目の2番手集団
 すでに5周目ぐらいから遅れた選手がタイムアウトになりはじめた。ここまではタイムアウトになっても復活できるゾンビルールが適用されてきたけれど、全周回数の半分にも満たずにタイムアウトになった場合にはどうなんだろう?
 そんなこんなで先頭の6人は変わらず、2番手集団、3番手集団が増えたり減ったり、あとは徐々にコンパクトになっていくような展開のまま、レースは終盤へと推移する。左の写真はおそらく11周回目の2番手集団。山岳賞ジャージの鈴木真理選手の姿が。

 次の周回で、先頭からセバスティアンが脱落。ビュエティガー、狩野、アイトールガルドス、福島晋一、ロバート・ロザノの5人となった。その背後には、10秒遅れでミズバニ(ジャイアント)と田代(ブリヂストンアンカー)。なんにせよ、タイム差が詰まってきている。

 次に現れた時には、先頭はジャイアントのミズバニが単独で逃げる形になっていた。20秒差で田代、真理、廣瀬(シマノ)、ビュエティガーら。そーかー。スタートリストを作りながらミズバニが来てるのかぁとは思ったけど、その後一度も意識したことがなかったんだけども、ここで逃げてたのはミズバニだったのか。ゼッケン番号しか書かなかったからわからなかったよ。

 そして14周回目。ミズバニの逃げもつぶされて、先頭は20人ほどの集団になっていた。集団の先頭はブリヂストンアンカー、シマノ、マカンディナあたり。リーダージャージの別府もこの集団にいた。

 あんまりのんびりしているとゴールするまでにスタート/フィニッシュ地点にたどり着けないので、上ってくる選手に声をかけつつ下り始めた。補給地点にたどり着いてみたら、ミヤタスバルの橋本選手が片付けの手伝いをしていた。残り4〜5周あたりでタイムアウトになったらしい。でもゾンビルール適用らしく、翌ステージも走れるらしい。あとは石田選手がどうなのかってとこだけど…。そろそろ撤収するところだったので、私達も一緒に下りて行った。

 さてレースに戻ります。20人ほどいた集団が上りでバラけ、田代、福島晋一(ブリヂストンアンカー)、鈴木真理(シマノ)、ホイレ(マカンディナ)、ロバート・ロザノ(エチェオンド)の5人に絞られた。リーダージャージの別府はここで脱落。2番手集団にもついていかれない。
ステージ優勝はロバート・ロザノ
 田代が様子見のアタック。鈴木真理がこれに反応。残りの3人も追いついて、また5人の集団に戻った。そして残り1〜2kmの地点で田代が脱落、そしてそのまま4人でのゴールスプリントとなった。これを制したのは修善寺でステージ優勝したロバート・ロザノ(エチェオンド)。左はゴール時の写真なんだけども、遠くからだったからなんだかさっぱりわからない。まぁ一応青いジャージの人が一番前にいるかなって感じで。
 2位は鈴木真理、3位は福島晋一という結果となった。別府選手はトップから4分22秒遅れの集団でゴールし、その結果、リーダージャージが福島晋一の手に渡った。
 ポイント賞は区間優勝のロバート・ロザノ(エチェオンド)、山岳賞はこの日山岳ポイントをすべてトップ通過したアイトール・ガルドス(NIPPO)、スプリント賞はアーロン・ケンプス(オーストラリア)という結果となった。

 個人的に気になったのは、2番目の集団にいた真鍋選手がちょっと遅れてゴールしたこと。ゴール後に通り過ぎた真鍋選手を見たら、肩のあたりが破けてた。ラストの周回で落車したのかな?
 とりあえずリザルトは以下の通り。

★ ステージ優勝
ロバート・ロザノ(エチェオンド)
★ 個人総合
福島晋一(ブリヂストンアンカー)
★ ポイント賞
ロバート・ロザノ(エチェオンド)
★ 山岳賞
アイトール・ガルドス(NIPPO)
★ スプリント賞
アーロン・ケンプス(オーストラリア)
●ステージ順位
順位名前チームタイム
1ロバート・ロザノエチェオンド4.15.18
2鈴木真理シマノレーシング
3福島晋一ブリヂストンアンカー
4クリスティアン・ホイレマカンディナ
5田代恭崇ブリヂストンアンカー0.07
6ディビッド・ベッツオーストラリア0.20
7ヤン・ラムザウアマカンディナ0.20
8ワン・グージャン中国0.23
9渋谷淳一ブリヂストンアンカー2.18
10ブルーノ・ビュエティガーマカンディナ0.23

表彰式

 でもって表彰式。表彰台の上にはステージ優勝のロバート・ロザノ選手、山岳賞のアイトール・ガルドス選手、そして個人総合リーダーの福島晋一選手が。
 表彰台の上でそれぞれリーダージャージを着せてもらってたんだけども、ポイント賞はかぶり物、残り2枚は前開きなのはなぜだろう? と思ったら、ポイント賞も前開きだけど、チーム名のロゴがベッと貼ってあるので開かなくてかぶってたみたい。じゃなんでNIPPOのロゴは真ん中で半分に切れてたんだろう? ロザノに着せてる間に慌てて準備したのかな。そのせいでしょうか。NIPPOの「NIP」の部分がひろひろ〜んと下に落ちてしまい、慌てて拾って貼り付けるという思わず笑っちゃうような光景が見られた。右の写真でアイトールくんが胸を押さえてるのはそういうわけなのであった。

表彰台の上の3選手 ロゴを押さえるアイトール
左からロバート・ロザノ、アイトール・ガルドス、福島晋一。 ロゴを押さえるアイトール。ところで皆さん目線が左だけども、左側に何があったんだろう?

撤収

 とりあえずミヤタスバルのテントに顔を出して、ご挨拶をしてからさくっと撤収。翌日もあるしね。
 鹿沼から高速に乗り、しばらく車を走らせていたら、後ろから自転車を積んだ車がやってきた。追い抜かれざまにちろっと見たら、なんとエチェオンドのチームカー。その後ろはシマノレーシング。撤収速いなぁ。後ろから次々やってくるのかと思ったらそうでもなかった。
 が、都心に近づいた頃にミヤタスバルのチームカー発見。あんまりよく見えなかったけど、運転してたのは中川選手だったのかな? 点から点へ移動するステージレースは、レース後に移動しなきゃいけないのが大変だよねぇ。まぁ宇都宮から品川なんて移動の距離としては高が知れてるのかもしれないけど。
 でもって帰りがけに翌日の周回コースを車で試走してから帰宅した。フィニッシュ地点あたりはすでに翌日のための準備が進められていた。明日ですべてが決まるんだ。どきどきするようなわくわくするような…。
 そんなこんなで無事帰宅。翌日に備えて早く寝る…つもりが速報まとめたりなんだりしてたら結局夜中になってしまった。眠いってば。

反省点

・メモ用紙はリングノートが吉かと。1枚1枚切れるのだとばらばらになって収拾がつかなくなるので。
・虫除けスプレーがあると嬉しい(とメモした紙に蚊をすりつぶした跡の血の染みがあるあたり…)

追記

 スタートを見ずに上がってしまったせいか気づかなかったんだけども、この日、レースに先駆けて、この大会を最後に引退するブリヂストンアンカーの渋谷淳一選手の引退セレモニーが行なわれたそうな。今大会を最後に19年の選手生活にピリオドを打つ渋谷選手。宇都宮での気概のある走り、目に焼き付けました。
 ブリヂストンアンカーといえば、この日はいつに増してブリヂストンアンカーあーんど福島選手ファンの方々が多かった。私達が観戦していたちょい上のあたりに集団がいて、「福島晋一」の幟(のぼり)を運んで何度も往復してた人がいて、「頑張れ〜」「Alle!」なんかゆって思わず盛り上がってしまった。「福島晋一選手も応援してくださいねー」と笑顔を振りまきながら通り過ぎていかれました。ノリのいい人だ。
 前日、ブリヂストンアンカーの藤野コーチとお会いして、ちょこっとお話をさせてもらった時、当然茂木か宇都宮周辺に泊まるのかと思ってたら、いったん帰って翌日(この日のことね)ブリヂストンの方々を連れて来るんだと言っていた。福島選手がリーダージャージを手にする瞬間を目の当たりにできて、観戦しに来てた人達も喜んだだろうなぁと。
 もうひとつオマケにブリヂストンアンカー。私達は進行方向に向かって右側にいたのでよくわからなかったけど、浅田監督が運転するブリヂストンアンカーのサポートカーの左のフロントがべっこりへっこんでると近くで応援していた人達が言っていた。どこでやっちゃったんだろうね。まぁ浅田監督に限らず、狭い道をあの速度でかっ飛ばしてたらどっかにぶつけもするわな。大事に至らず幸いでした。

 今日(6月5日)CyclingWeb.jpにTOJ宇都宮ステージのフォトギャラリーがアップされた。つらつらと眺めていて、「これは誰? あ、真鍋さんか」とその時は通り過ぎたんだけども、後で旦那と一緒に見ていたら、路肩で応援してる旦那が思いっきり写っているのを発見。そーかー。ここにあの芋虫がいたのかぁ…ってそうじゃなくて(笑)。なかなか迫力のあるいい写真が多いね。
 ちなみに上に書いたブリヂストンアンカーのサポートカーのべっこり、ずげげげげーっと傷ついた姿の写真も載ってます。

 さらに追記。上に「ラストの周回で落車したのかな?」と書いた真鍋選手。普段は落車しない下りで、しかも残り4周ほどで2回も落車してしまったんだそうだ。監督の鎖骨骨折も、茂木で道に迷ったのも、真鍋選手のこの落車も、どうも大会提供のレガシーに搭載されたカーナビの怨念らしい。詳細についてはmasahikomifune.comの「Tohoho」をご覧ください。

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