2004 ブエルタ・ア・エスパーニャ 第2ステージ

コースプロフィール:
 ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージはレオン〜ブルゴスの207km。ジロやツールと比べると1ステージの距離が短いブエルタだが、このステージは今年の全21ステージのうちもっとも長いステージだ。
 山岳ポイントこそないものの、平坦な箇所なんてないんじゃないかと思ってしまうぐらい、最初から最後までアップダウンの連続だ。とはいえ、スプリンターが遅れてしまうほどの勾配ではなく、ラストは下り基調であるため、集団でのゴールスプリントとなる可能性も大。72km地点、138.8km地点、189km地点の3ヶ所にスプリントポイントが設置されている。

現地の天候:
 オフィシャルサイトの予報では、中盤以降に雨マークがついていたが、とりあえず最後まで天気はもったらしい。

レースの展開:
 この日、最初の1時間は平均速度31km/hというスローペースで入った。40km過ぎにピッコリ(ランプレ)がアタック。数人がこれに反応したが、この逃げは決まらず、まもなく集団に吸収された。
 最初のスプリントポイントは、ファンヘースウェイク(USポスタル)、ピッコリ(ランプレ)、ヨアキム(USポスタル)の順で通過。この直後、タンキンク(クイックステップ)とセラーノ(カフェバケ)がアタックし、集団はこの逃げを容認。タイム差は7分ほどにまで広がった。
 100kmを過ぎたあたりで後続集団のペースが上がった。集団はいくつかに分裂し(風の強さも手伝って、集団はこんなことに)、2つ目の集団にベローキが取り残された。周りにはチームメイトの姿はなし。単独で前の集団に追いつかなければならなかった。
 115kmを過ぎたあたりで落車発生。トレンティ(ファッサ)、リギ(ランプレ)、トンコフ(ヴィーニ)が落車し、全員レースに復帰したものの、こんなことになっていた。痛々しい。
 分裂していた集団は、その後150人ほどの集団に戻った。が、結局最後まで追いつけなかった選手もいた。サニエルデュバルではピエポリとイェーカーが1分52秒、クイックステップではペチャロマンが1分14秒遅れでゴール。前日のTTTでピエポリは3分14秒、イェーカーは5分30秒遅れてしまったため、すでに個人総合という意味合いでは辛い状況ではあったんだけど、この日も遅れてますます総合争いから遠のいてしまった。ということで、今後はベローキのアシストとステージ狙いに目的を絞ることとなるだろう。
 ペチャロマンはクイックステップのエース。前日のTTTでチーム自体が2分14秒遅れの19位でゴールしているため、トップから3分半近くも遅れを取ってしまった。
 先頭の2名はまだ逃げ続けていたが、タイム差が徐々に詰まり、つかまるのは時間の問題という感じ。
 2つ目のスプリントポイントはタンキンク、セラーノの順で通過。残りの1ポイントは、集団から飛び出したマンセボがしっかりゲット。もちろんポイント賞を狙っているわけではなく、ボーナスタイム2秒を稼ぐための動きだ。こつこつと100円貯金。ちゃりーん。
 集団の先頭をコントロールするのはUSポスタルとT-Mobile。必死に追い上げているわけではないが、先頭の2人との差はますます詰まってきている。すでに90km近く逃げ続けている2人。そろそろ疲れが見え始めた。
 残り40km。集団からAG2Rのレドゥンがアタック。やがて逃げの2人に追いつき、追い越した。タンキンクは後に続いたが、セラーノは諦めムードで背後をうかがっている。Laidounとタンキンクは必死の抵抗を試みるが、残り20kmの地点で集団に吸収された。
 3つ目のスプリントポイントまではあとわずか。その時、タンキンクのチームメイト、ファングーレン(クイックステップ)がアタック。そのままスプリントポイントをトップで通過した。以下、ピッコリ、ヨアキムの順で通過。ファングーレンはしばらく単独で逃げたが、残り13km地点で集団に吸収された。
 残り10kmを切り、ファッサボルトロが集団前方に上がってきた。これはもちろんペタッキを勝たせるための動きだ。こうなるとファッサ磐石なイメージがあるが、果たしてツールで落車してツールの残りとオリンピックを棒に振ったペタッキの現在の調子はいかに?
 残り8km地点でイゴールゴンザレス・デガルデアノ(リバティセグロス)がペースを上げ、チームメイト2、3人が後に続いた。横風を利用して逃げようとする動きだったが、この逃げは結局決まらなかった。
 集団の先頭はおなじみファッサトレイン。このあたりからライブ映像を見たんだけども、不明瞭な映像ながら、ファッサトレインが形成されてるなぁというのは見て取れた。ペタッキは5番手に位置している。背後にはツァベル、フレイレの姿が。
 残り数百m。ペタッキの最後の発射台は、先ほど落車してお尻が赤むけになってしまったトレンティ。残り200mでペタッキが先頭に。そして他を寄せ付けず、先頭のままゴールした。以下、ツァベル、フレイレ、オグレディと続いた。
 この日ペタッキはステージ序盤で落車していたらしい。それでなくても長いステージ。風もあってずいぶん苦労したらしい。レース後、ペタッキはチームメイトへの感謝のコメントを残している。

 集団ゴールだから総合には変動なしかと思ったら、最初のスプリントポイントをトップ通過したファンヘースウェイクが6秒のボーナスタイムを稼ぎ、その結果、チームメイトのランディスからリーダージャージを引き継ぐ形となった。

★ ステージ優勝
アレッサンドロ・ペタッキ(ファッサボルトロ)
★ 個人総合
マックス・ファンヘースウェイク(USポスタル)
★ ポイント賞
エリック・ツァベル(T-Mobile)
★ 山岳賞
フロイド・ランディス(USポスタル)
★ コンビネーション賞
フロイド・ランディス(USポスタル)
★ チーム総合
USポスタル
●ステージ順位
順位名前チームタイム
1アレッサンドロ・ペタッキファッサボルトロ5.02.05
2エリック・ツァベルT-Mobilespacer
3オスカル・フレイレラボバンクspacer
4スチュアート・オグレディコフィディスspacer
5ペドロ・オリリョクイックステップspacer
6ジョスエ・ボノーミ サエコspacer
7アントニオ・クルーズUSポスタルspacer
8マルコ・ザノッティヴィーニカルデローラspacer
9エルキ・プツェップAG2Rspacer
10イニャキ・イサキエウスカルテルspacer
spacer
●個人総合
順位名前チームタイム
1マックス・ファンヘースウェイクUSポスタル5.32.44
2ブノア・ヨアキムUSポスタル+0.02
3フロイド・ランディスUSポスタル+0.06
4マイケル・バリーUSポスタルspacer
5マヌエル・ベルトランUSポスタルspacer
6ヴィクトルウーゴ・ペーニャUSポスタルspacer
7デーヴィッド・ザブリスキーUSポスタルspacer
8エリック・ツァベルT-Mobile+0.25
9トマス・コネクニーT-Mobile+0.37
10サンティアゴ・ボテーロT-Mobilespacer

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