ツール・ド・ランカウイ 第3ステージ

 第3ステージはGerik〜Tanah Merahの172.5km。今大会初の山岳ステージなんだけども、山岳があるのは中盤までで、下りきってから70km程度(目見当)は平坦が続くので、最後は集団ゴールになる可能性もないではない感じ(どっちやねん(^^;)。コースプロファイルを強引に言葉で説明するなら、「象を呑んだうわばみ」な感じ(また出たよ(^^;>「象を呑んだうわばみ」)。
 山岳ポイントが2つあっていずれもカテゴリ1級。スプリントポイントは2つの山岳ポイントの間に1つ、ゴールまでの間に2つの合計3つ設定されている。
 今日も今日とて晴れ。29度、71%って話だけど、体感的にはもっと暑そう。ベロキとか日焼け止めで真っ白白になっていた。

 放送が始まって、驚いたのは「福島康司未出走」という情報。膝の痛みを訴えていたらしいので、その影響かなぁなんて思ってたら、カメラに向かって舌を出しておどける康司くんの姿が。いますがな。ほっと一安心。
 かと思えば、アジアンリーダージャージを着た宮澤選手が首筋に垂らしたバンダナを指差して「日差しよけるのにこれがいいんだよ」的なコメントをカメラに向かって。いいなぁ、このキャラ。

 と思ったら、福島康司が今日も今日とてアタック。誰も反応せず。いいスピードで集団から飛び出し、見る見る間にリードを広げた。
 8分24秒、11分2秒、11分33秒と集団との差はどんどん開いていく。
 集団前方にあるはずのオレンジ色のチェラミケトレインはというと、グレーム・ブラウンが遅れ気味なため姿が見えず。代わって集団先頭にはディスカバリーの別府史之選手の姿が。栗村監督も言ってたけど、きれいなフォームだなぁ。とても力のある選手だと思うから、つぶれず、つぶされず、素直に伸びてってもらいたい。
 ところでグレーム・ブラウンって25歳なんですか? まぢですか? とてもそんなに若くは見えないんですが(^^;。

 単独で逃げつつも、康司くんはあくまで明るい。カメラに向かって笑顔を見せたり、無線に向かって「浅田さん、何か話してくださーい」とかゆってるよ(笑)。
 しばらくして寄って来た浅田監督、康司に対して「下りでホイール変える?」と。十分なリードをキープしてるとはいえ、これは勇気のいる決断だろう。このあたりも含め、百戦錬磨のブリヂストン・アンカーって感じだ。その後、康司選手がすーっと左端にバイクを止め、小松メカが後輪を交換。いい仕事してます。

 後方の集団ではマルロン・ペレス(セッレイタリア)がアタック。4〜5名が飛び出す形となった。集団先頭に山岳賞ジャージのハウス(イギリスナショナルチーム)の姿は見えず。このアタックは結局集団に追いつかれ、決まらなかったが、セッレイタリアがさかんに集団をふるいにかけるような動きをしている。

 この時点でタイム差は10分50秒。1時間半の放送枠で、残り時間は24分。まだ2つ目の山岳ポイントを過ぎたぐらいの映像で、残り100kmぐらいをどうまとめるんだろうと思っていたら、画面に出てきたのはいきなり残り10kmの看板。なんなんだ、この映像は。ともあれタイム差は5分28秒。これは逃げ切りの線も見えてきた。

 後続集団のペースもさすがに上がってくる。しかし、残り4km、3km、2kmと残りの距離がどんどん縮まっていく。

 残り1km。私はというと、こんな瞬間を目の当たりにできたことに感動を覚えてる。

 そしてゴール前に入ってきた。背後のチームカーから小松メカが身体を乗り出して写真を撮ってる。両手を高々と上げてゴールする康司選手の背後では、チームカーの左右から拳が突き出てるのが見える。こりゃすげー。両手の拳に顔を埋める康司くんの姿を見て、思わず目を潤ませた私ではあった。

 後続集団は2分35秒後にゴール。集団の先頭はブラウンが取った、と思ったら実はアックアエサポーネのベルトリーニが先に入ってた。

 そして集団に2分35秒の差をつけてゴールした福島康司選手は個人総合リーダーに。もちろんベストアジアンライダーも康司選手。そして、第2ステージ終了時点での山岳賞リーダー、イギリスのハウスにも2ポイントの差をつけて、山岳賞リーダーにも輝いた。
 いやいや感動しました。おめでとう、康司くん。そしてありがとう、康司くん。

 明日は20.3kmの個人タイムトライアル。果たしてリーダージャージを守ることができるんだろうか? ますますもって目が離せません。

★ ステージ優勝
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ 個人総合
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ ポイント賞
グレーム・ブラウン(チェラミケパナリア)
★ 山岳賞
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ ベストアジアンライダー
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ チーム総合
チームブリヂストン・アンカー
●ステージ順位
順位名前チームタイム
1福島 康司ブリヂストン・アンカー4.25.01
2Denis Bertoliniアックアエサポーネ+2.35
3Graeme Brownチェラミケパナリア+2.35
4Stefan Van Dijckミスターブックメーカー+2.35
5Antonio Salomoneバルロワールド+2.35
6Cristian Bonfantiドミナヴァカンツェ+2.35
7Geoffroy Lequatreクレディアグリコル+2.35
8James Van Landschootランドバウクレジット+2.35
9David Koppヴィーゼンホフ+2.35
10Jens Rendersミスターブックメーカー+2.35
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●個人総合
順位名前チームタイム
1福島 康司ブリヂストン・アンカー10.52.10
2Graeme Brownチェラミケパナリア+2.38
3Guillermo Bongiornoチェラミケパナリア+2.44
4Oleg Grishkineナビゲータースインシュアランス+2.50
5宮澤 崇史ブリヂストン・アンカー+2.51
6Fallanie Aliプロトン+2.54
7Dennis Kraftアクション+2.55
8Rene Joergensenバルロワールド+2.55
9Christopher Bradfordウィズミラク+2.56
10Ryan Coxバルロワールド+2.57

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