ツール・ド・ランカウイ 第4ステージ

 第4ステージは20.3kmの個人タイムトライアル。コースはほぼまっ平ら。スタート地点とフィニッシュ地点が同じ周回コース?だが、復路で海沿いの道を走るので、風が強い可能性も。

 まず映像として飛び込んできたのは背中が盛り上がったネイザン・オニール(ナビゲーター)。キャメルバッグを背負ってのスタートだ。水分補給もさることながら、エアロダイナミクス効果をも狙ったものらしい。
 この際まったく関係ないことを言わせていただけるなら、一生のうち一度やってみたいのが、キャメルバッグにワインを詰めて走ること。前にゲレンデでそんな話になったことがあるんだ。ワイン持って上るの面倒だから、キャメルバッグ背負っちまえ、みたいな。一度それを自転車でやってみたい。って、明らかに飲酒運転なのでよい子は真似しないように(笑)。
 去年のツール・ド・ランカウイではチーム間の格差をなくすため、エアロ形状のヘルメット、TT用バイク、ディスクホイールが禁止されていたって話だけど、今年もTT用バイク、ディスクホイールは禁止だったのかな。皆さんノーマルバイクにアタッチメントを付けて走っていた。ネイザン・オニールを見ると、TT用の後ろに長いヘルメットをかぶっていたので、エアロ系所のヘルメットはOKだったみたい。
 で、その(どの)ネイザン・オニール。これまで何度もオーストラリアのTTチャンプに輝いている選手。っていうか、今年に入って行なわれたオーストラリア選手権でも他に圧倒的な差をつけて2年連続でTTチャンピオンになった。写真を見るとその時もラクダさんだったのね。
 ともあれそんなこんなでTTの実力はお墨付きの選手。途中2名をパスするシーンがあった。平均時速49kmの快調な走りで、期待通りトップタイムをたたき出した。

 …はいいんだが、ツール・ド・ランカウイの放送は垢抜けないというか慣れてないというか、昨日の「突然残り10km」にも目が点になったもんだけど、今日のこの途中経過が一切出ない、淡々としたTT中継もなかなか趣深いものがある。何がどうなってるのかわかんないから、いかにも南国な風景をただぼえーっと眺めちゃったりなんかして。

 でもって別府史之選手のスタートシーンが。ノーマルヘルメットにエアロスーツ、左耳にピアス、右手にリブストロング(どうでもいい(笑))を着用してのスタート。この後で出走したチームメイトのトム・ダニエルソンマイケル・バリーアントニオ・クルズはエアロ形状のヘルメットを着用していたのを見ると、チームオーダーが見えてくるってもんです。
 結果から言っちゃうと、ディスカバリーチャンネルではマイケル・バリーが5位、トム・ダニエルソンが9位、アントニオ・クルズは19位、そして、別府史之は10位フィニッシュだ。史くん、やるなぁ。21歳の若さでTTが強いって今後がとっても楽しみだ。

 オニールのタイムを上回る選手はなかなか出てこない。2位に入ったのがコロンビア・セッレイタリアの小柄な選手ルハノ。TT強いとは思わなかったからちょっと驚いた。この後ライアン・コックス(バルロワールド)に抜かれちゃうんだけどね。

 グレーム・ブラウン(チェラミケパナリア)はTTでもノースリーブ(ってかめくり上げてるのかな?)なのね。ノーマルヘルメット、ディープリムじゃない普通のホイール、これは運営側の問題だけども、ワンピースじゃないリーダージャージと、見た目的にはあまりやる気が感じられない。あくまで淡々と、という感じ。
 そんなこんなのグレーム・ブラウンを、ラストに出走した福島康司が捕らえた。CyclingTime.comのインタビューによるなら、ブラウンが流してるのがわかったので自分のペースで走ることを心がけたとのこと。ちなみに、背後のチームカーには、浅田監督、小松メカに加え、兄の福島晋一選手も乗っていたそうな。兄ちゃんの声援がきっと励みになったんだろうね。康司選手はトップから1分39秒遅れというまずまずのタイムでフィニッシュ。

 133人全員が走り終わって、もっとも速かったのはやはりネイザン・オニール(ナビゲーター)。2位のライアン・コックス(バルロワールド)に5秒弱の差をつけてのステージ優勝だった。そしてオニールは第3ステージ終了時点の個人総合96位からジャンプアップ。個人総合リーダーを守りきった福島康司と1分20秒差に迫る個人総合2位となった。

 こぼれ話として、放送中に浅田監督と電話がつながり、第3ステージのことについて白戸さん、栗村監督、三船選手と会話を交わした。栗村監督が「昨日ゴールシーンでワイパー動かしてましたよね。あれは狙ってたんですか?」と尋ねたら、パッシングしようとしたら左右を間違えてウォッシャー液が出てしまったとのこと。思わず爆笑してしまった。
 それからナビゲーターのグリキネ(と放送では言ってるようだけど、スペル見るとGrishkine。なにか足りない気もしないでもないが)がチェラミケのボンジョルノを抜き去る際、何か一声ふた声かけてるのを見て栗村監督が「『ボンジョルノ』って感じですね」と言って、白戸さんと三船さんに受け流されてたのが個人的にちょっとツボでした(笑)。
 んでもっておまけに。康司選手のインタビューで登場したという「ベルナールじいちゃん」についてはファンライドの連載でよく目にしていたので、妙な親近感が。じいちゃんもきっと喜んでることでしょう。今年で93歳なんですか。いつまでも元気でいて欲しいです、と会ったこともないのに思ってしまいました。

★ ステージ優勝
ネイザン・オニール(ナビゲーター)
★ 個人総合
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ ポイント賞
グレーム・ブラウン(チェラミケパナリア)
★ 山岳賞
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ ベストアジアンライダー
福島 康司(チームブリヂストン・アンカー)
★ チーム総合
バルロワールド
●ステージ順位
順位名前チームタイム
1Nathan O'Neillナビゲータースインシュアランス24.42.76
2Ryan Coxバルロワールド+0.04.82
3Jose Rujanoコロンビアセッレイタリア+0.15.25
4Tiaan Kannemeyerバルロワールド+0.20.94
5Michael Barryディスカバリーチャンネル+0.24.19
6Marlon Perez Arangoコロンビアセッレイタリア+0.27.36
7Bogdan Bondariewアクション+0.36.54
8David Plaza Romeroバルロワールド+0.37.81
9Tom Danielsonディスカバリーチャンネル+0.41.97
10別府 史之ディスカバリーチャンネル+0.43.50
spacer
●個人総合
順位名前チームタイム
1福島 康司ブリヂストン・アンカー11.18.32
2Nathan O'Neillナビゲータースインシュアランス+1.20
3Ryan Coxバルロワールド+1.22
4Jose Rujanoコロンビアセッレイタリア+1.36
5Tiaan Kannemeyerバルロワールド+1.41
6Michael Barryディスカバリーチャンネル+1.44
7Marlon Perez Arangoコロンビアセッレイタリア+1.48
8Tom Danielsonディスカバリーチャンネル+2.02
9別府 史之ディスカバリーチャンネル+2.04
10Jurgen Van De Walleランドバウクレジット+2.14

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